北京の新鮮な空気でネズミは太る

(2016年2月) "Journal of the Federation of American Societies for Experimental Biology" に掲載予定である北京大学などの研究で、大気汚染で有名な北京の新鮮な空気をネズミに吸わせるという実験を行ったところ、体重が増加し健康状態も悪化するという結果になりました。出典: Exposure to Air Pollution Increases the Risk of Obesity

実験の方法

妊娠中のネズミを2つのグループに分けて、一方のグループには北京の屋外の新鮮な空気をそのまま吸わせ、もう一方のグループには北京の空気をフィルターにかけて大部分の大気汚染物質を除去した清浄な空気を吸わせました。

妊娠中のネズミから生まれた子供も、母親と同じ環境で飼育し続けました。

結果
代謝と炎症

わずか19日間のうちに、北京の新鮮な空気を吸わされたグループでは肺と肝臓に炎症が生じ重量も増しました。 さらに、清浄な空気を吸ったグループに比べて、LDLコレステロールが50%・中性脂肪が46%・総コレステロールが97%増え、インスリン抵抗性も増加していました。 生まれた子ネズミでも同様の結果でした。

体重

いずれのグループも同じエサを食べていたにも関わらず、北京の新鮮な空気をそのまま吸わされたグループは清浄な空気のグループよりも太っていました。 清浄な空気のグループに比べての体重増加度は、実験開始から8週間目の時点でメスは10%、オスは18%でした。

期間
大気汚染の代謝と炎症への悪影響は3週間後よりも8週間後の方が大きくなっていました。 このことから、大気汚染により代謝と炎症に持続的に悪影響が生じ、それによって体重が増加するまでには長期間を要するのだと思われます。
慢性的な炎症は肥満のリスク要因です。
関連研究
これまでの研究では、大気汚染により各種臓器と循環器系に酸化ストレスと炎症が生じることや、大気汚染がある地域の住人にインスリン抵抗性の増加と脂肪組織の変質が見られることが示されています。 今回の結果は、これらの研究の結果と合致します。