完全主義者も自分に優しくなると抑鬱が生じにくい

(2018年2月) 完全主義がマイナスに作用すると抑鬱が生じやすいことが知られていますが、"Plos One" に掲載されたオーストラリア・カトリック大学などの研究によると、完全主義が裏目に出たときの抑鬱の増大をセルフ・コンパッションによって抑えられる可能性があります。

研究の方法

思春期の若者541人と成人515人を対象にアンケート調査を実施して、完全主義/抑鬱/セルフ・コンパッションそれぞれの程度を測りました。

結果

思春期の若者でも成人でも、完全主義の程度を示すスコアが高いと抑鬱の程度を示すスコアも高いという関係が見られました。

セルフ・コンパッションが強い若者では完全主義のスコアと抑鬱のスコアとの関係が消滅していました。 セルフ・コンパッションが強い成人でも、完全主義のスコアと抑鬱のスコアとの関係が消滅してはいなかったものの関係が弱まっていました。

完全主義について

完全主義には良い面と悪い面があり、良い面が顕在化したときには頑張る動機となりますが、悪い面が顕在化してしまうとセルフ・クリティシズム(*)の傾向が強まったり他人に低く評価されるのを恐れたりするために精神面に悪影響が生じます。
(*) セルフ・クリティシズム(self criticism)とは、自分の性格・行い・能力などを辛辣に否定的に評価したり、自分を憎んだり嫌ったりするという心理的な態度のことです。 セルフ・クリティシズムが強い人は、自分の失敗・能力不足・欠点が許せずに自分を責めます。

セルフ・コンパッションについて

セルフ・コンパッション(self compassion)とは、自分が苦しい状況にあるとき・能力不足を感じているとき・何かに失敗したときに、自分を責めたりせずに自分をいたわることです。

セルフ・コンパッションにおいては、自分の欠点を批判したり自分の苦境の原因が自分にあると自分を責めたりするのではなく、さりとてそうした苦境の原因や欠点を無視するのでもなく、それらに対して寛容な態度を取ります。

セルフ・コンパッションを養成する方法

セルフ・コンパッションを養成するには、苦境にある親友に接するようにして自分自身に接すると良いでしょう。 苦境にある親友に対して「お前はダメな奴だ」と批判したりせず親切に振る舞うのと同じように、自分自身を優しく扱います。

「自分が抱えている欠点や苦境は誰もが経験することだ。こういうことで悩んでるのは自分だけではない」という視点を持つことも大切です。