歯磨きに心臓病を予防する効果

(2013年10月) "Journal of the American Heart Association" に掲載されたコロンビア大学の研究によると、歯磨きなどにより歯周病をコントロールすることが心臓疾患の予防につながります。

今回の研究では世界で初めて、歯周病を改善あるいは予防することでアテローム性動脈硬化(心臓病の主因となる)の進行を臨床的に有意な程度にまで鈍化させられることが示されました。 アテローム性動脈硬化の進行度合いと、歯周病の病状および歯茎に生息する細菌群のプロファイルの両方とが並行していたのです。

研究の方法

この研究ではまず、420人のマンハッタン在住者の歯周病菌感染状況を検査し、超音波を用いて頚動脈を検査することで動脈硬化の兆候を調べました。

結果

3年後に同様の検査を再び行ったところ、歯周病菌が減少して歯茎の健康が改善していた人では、血管の健康状態も改善している傾向にありました。 歯茎が健康な人ほど血管壁のIMT(厚み)の進行がマシ(つまり動脈硬化がマシ)で、歯周病が悪化している人では、それに応じて IMT が進行していたのです。

3年のうちに歯茎の健康状態が悪化した人では、改善された人と比べて IMT が(平均で)0.1mm 厚くなっていました。 過去の研究によると、頚動脈の IMT が 0.033mm/年(=3年で 0.1mm)増加すると、冠動脈イベント(心筋梗塞などの急激な発症や悪化のこと)のリスクが2.3倍になります。

この結果は、BMI や、コレステロール値、糖尿病、喫煙習慣など動脈硬化に影響する可能性のある要因を考慮したうえでのものです。

研究者のコメント
研究者は次のように述べています:
「今回の研究では、完全な歯周病とまではいかなくても口腔内の状態が悪い人では、頚動脈の肥厚(血管の壁が盛り上がること)が見られるケースが増加することが明確に示されました。 つまり、初期の歯周病であっても看過できないということです」
研究グループは、歯周病によって動脈硬化のリスクが増加するのは、歯周病菌が免疫応答と過剰な炎症を引き起こすからではないかと考えています。 免疫応答や過剰な炎症が、アテローム性動脈硬化における炎症を引き起こす、あるいは悪化させている可能性があるのです。