歯周病があるアルツハイマー病患者は認知機能の衰え方が激しい

(2016年3月) "PLOS ONE" に掲載されたキングズカレッジ・ロンドンなどの研究で、アルツハイマー病患者に歯周病があると半年間における認知機能の衰え方が激しいという結果になりました。出典: Link Between Gum Disease and Cognitive Decline in Alzheimer’s

研究チームのこれまでの研究では、慢性炎症がアルツハイマー病の進行に悪影響を及ぼすことが示されています。
慢性炎症
「慢性的な炎症により老化が早まる?」によると、年を取るにつれて、これといった理由も無く軽度な炎症が生じる頻度が増えてゆき、最終的には慢性的に炎症が生じている状態になります。 慢性炎症は肥満者にも生じます。
研究の方法

アルツハイマー病の症状が軽~中程度の患者59人を対象に、認知能力・歯の健康状態・血液の検査を行いました。 血液検査は炎症の程度を調べるために行いました。 59人のうち52人については、半年後にも同じ検査を繰り返しました。

結果

初回の検査から半年後の時点において、当初に歯周病があったグループは歯周病が無かったグループよりも炎症がひどく、認知能力が衰えている人の割合も6倍でした。

解説

この結果から研究チームは、歯周病によって口腔以外の場所における炎症が悪化し、そのために認知能力の衰え方が悪化したのではないかと考えています。

研究者は次のように述べています:

「複数の研究で、(おそらく歯周病のために)歯がほとんど残っていない人では認知症のリスクが増加することが示されています」参考記事: 抜けた歯の数が多い高齢者では認知症のリスクが増加

「逆に歯が残っている人でも、歯があるせいで歯周病も活発だと全身的に炎症性分子が増えて、認知機能が衰えたり心血管疾患(心臓発作や脳卒中)になったりするリスクが増加する可能性があります」
歯周病の治療により全身の炎症が緩和されるというデータもあるので、歯周病の治療がアルツハイマー病の治療につながる可能性がありますが、今回の研究が小規模であるため今後の研究で今回の結果を確認する必要があります。