末梢動脈疾患(PAD)とは

末梢動脈疾患(PAD)という病気をご存知でしょうか? PADとは、末梢動脈(手足の動脈)が狭くなる病気で、誰もがかかりうる一般的な病気です。

原因

PADの原因はアテローム性動脈硬化であるケースが大部分です。 アテローム性動脈硬化とは、動脈の内側に脂肪などのプラークが蓄積して血流を妨げるという病気のことで、心臓の動脈だけでなく全身の動脈に生じます。

症状

PADが厄介なのは、PADに初期症状が無いという点です。 最も早く現れる症状は、運動中に断続的に感じる両脚の異常(締め付けられる感じ・重い感じ・痙攣・力が入らない感じ・ふくらはぎや太腿の痙攣や痛みなど)です。

PADの症状が進行すると脚が局所的に貧血状態となり、安静にしていても両脚やつま先が痛んだり、両脚やつま先に潰瘍が出来たりします。 潰瘍を放置していると壊疽を起こして細胞が死滅してしまいます。

初期のPADは医師の診察でも明らかにならないことが多いので、上記の初期症状がある場合には、患者の側からその症状を医師に伝えることが大切です。

リスク要因
PADは冠状動脈疾患(PADと同じく動脈にプラークが蓄積するのが原因)のある人に比較的多く見られます。 また、PADのある人では心臓発作や脳卒中のリスクが増加します。
収入がPADのリスクに影響
"Circulation: Cardiovascular Quality and Outcomes" 誌(2014年7月)に掲載された研究では、PADが低収入の人に多いという結果になっています。 この研究で 6,791人のデータを調べたところ、最も収入が高いグループに比べて最も収入が低いグループではPADの罹患率が2倍超に増加していました。
予防法
PADを予防するためには出来るコトは次の通りです:
  • 禁煙する。
  • 適切なBMIを維持する。
  • 運動する習慣を身に付ける。
  • 血中コレステロール値を適正に維持する。
  • 血圧を適正に維持する。
  • 糖尿病を放置しない。

PADの治療では、まず投薬と生活習慣の改善を行って効果があるかどうかを見ます。 用いられる薬は、血圧・血糖値・コレステロールを下げる薬や、血流を改善する薬、血管を緩める薬などです。

投薬と生活習慣の改善でPADの症状が軽減されない場合には外科手術を行いますが、レーザーやカテーテル(チューブを血管に差し込む)を用いた手術なので、患者の体への負担は比較的少なくて済みます。