皮下脂肪が付きにくい体質の人は糖尿病や心臓病になりやすい

(2016年11月) 2型糖尿病や心臓病のリスク要因として知られるインスリン抵抗性ですが、"Nature Genetics" 誌に掲載された ケンブリッジ大学などの研究によると、皮下脂肪が付きにくい人はインスリン抵抗性が生じやすいと考えられます。

遺伝子の調査

20万人ほどの男女の遺伝子データを用いて遺伝子とインスリン抵抗性との関係を調べたところ、これまでに知られていた10のゲノム領域に加えて新たに43のゲノム領域がインスリン抵抗性や糖尿病・心臓病のリスク増加に関与していることが明らかになりました。

遺伝子と皮下脂肪の関係
さらに、英国人男女1万2千人を対象に調査を行ったところ、上述の53のゲノム領域における遺伝子変異体の数が多い人は皮下脂肪(*)が少ないことが明らかになりました。 皮下脂肪の少なさは下半身で顕著でした。
(*) 腹部の脂肪は内臓脂肪と皮下脂肪に分類されます。 有害なのは皮下脂肪よりも内臓脂肪であるようです。 (参考記事:
家族性部分型リポジストロフィー
1型家族性部分型リポジストロフィー(*)の患者で、53のゲノム領域における遺伝子変異体の数が多いことも明らかになりました。
(*) 重症タイプのインスリン抵抗性。 1型家族性部分型リポジストロフィーの患者は、カロリーを過剰に摂っても脂肪組織が十分に発達できず腕や足などの脂肪組織が少ない。 そして糖尿病や心臓病のリスクが高い。
細胞実験

マウスの細胞を用いた実験では、今回特定された遺伝子群のいくつか(CCDC92、DNAH10、L3MBTL3 など)を抑制すると成熟脂肪細胞を発達させる能力が損なわれることが確認されました。

コメント
研究者は次のように述べています:

「腕や足などに(皮下)脂肪が付きにくいと不健康な脂肪が付きやすく(*)、そのためにインスリン抵抗性・糖尿病・心臓病などになるリスクが増加します」

「腕や足などに脂肪が付きにくい場合にも、カロリーの摂り過ぎに気をつけ、運動によりカロリーを消費するようにすると良いでしょう」
(*) ゲノム領域における遺伝子変異体の数が多い人は内臓脂肪が多かったのでしょうか?