長期間にわたる鬱症状で脳卒中のリスクが増加

(2015年5月) "Journal of the American Heart Association" に掲載されたハーバード大学の研究で、長期間にわたって鬱症状を抱えている50才超の男女では脳卒中のリスクが通常の2倍に増加するという結果になりました。 出典: Long-Term Depression May Double Stroke Risk for Middle-Aged Adults

研究の方法

この研究では、50才超の米国人男女 16,178人を対象に、1998年~2010年まで2年ごとに聞き取り調査を行いました。 調査項目は鬱症状、脳卒中の病歴、脳卒中のリスク要因などでした。 追跡期間中に発生した脳卒中の件数は 1,192件でした。

結果
主な結果は次の通りです:
  • 4年間にわたって(連続する聞き取り調査2回分で)鬱症状が少なかったグループに比べて、4年間にわたって鬱症状が多かったグループは初めて脳卒中になるリスクが2倍超に増加していた。
  • また特に女性において、聞き取り調査と聞き取り調査との間に鬱症状が去っていても(つまり鬱症状が治まってからも2年間は)脳卒中のリスクは依然として増加したままだった。
  • 聞き取り調査と聞き取り調査との間に鬱症状が始まった場合には脳卒中リスクが増加している兆候は見られなかった(鬱症状の持続期間が2年以内であれば脳卒中のリスクは増加していなかった)。
  • 鬱症状の有無と脳卒中リスク増加との関係は65才未満の人たちで顕著だった。

研究者によると、今後の類似研究で今回と同じ結果になることを確認する必要があります。

鬱と脳卒中の関係
研究チームによると、長期間にわたる鬱症状により血管にダメージが蓄積するのが脳卒中のリスクに影響している可能性があります。 鬱症状がもたらす血管へのダメージは直接的なものの他に、鬱症状による生活習慣(喫煙や運動不足など)の変化を介する間接的なものも考えられます。