不眠症が慢性的だと死亡リスクが増加するが、断続的だと増加しない

(2015年2月) "American Journal of Medicine" に掲載されたアリゾナ大学の研究で、不眠症の人では①炎症が増加し、②死亡率も増加するという結果になりました。 死亡率の増加は慢性的な不眠症に悩まされている人で顕著でした。
米国では成人の20%が不眠症(寝付けない、夜間に目が覚める、朝起きる時間が早過ぎる)ですが、そのうちの半数(10%)ほどが慢性的な不眠症であると推測されています。
研究の方法

この研究では 1,409人の成人を被験者として、睡眠に関するアンケート調査と血液サンプルの採取を数十年間のうちに複数回行いました。

被験者は、①慢性的不眠症、②断続的不眠症、または③不眠症ではないという3つのグループに分けられました。

1984~1985年にかけて行われたアンケート調査と 1990~1992年にかけて行われたアンケート調査の両方において不眠症と判断された人たちを慢性的不眠症とみなしました。 これに対して、どちらか一方の調査でのみ不眠症だった人たちを断続的不眠症とみなしました。

慢性不眠症のグループ

慢性不眠症のグループは、不眠症ではないグループに比べて死亡率が58%増加していました。 死因はガンよりもむしろ心血管疾患(心臓病や脳卒中)でした。 この数字は、年齢・性別・体重・喫煙習慣・睡眠薬の使用・運動量などの死亡リスク要因を考慮したうえでのものです。

慢性不眠症のグループでは、炎症のマーカー(指標)であるC反応性タンパク(CRP)の血中濃度も高くなっていました。

CRP濃度の高さはそれ自体が死亡のリスク要因でもあり、CRP濃度を考慮すると58%だった慢性不眠症による死亡率の増加は36%となりました。

断続的な不眠症のグループ

断続的な不眠症のグループでも不眠症ではないグループよりも死亡率が増加しているように見えましたが、BMIや喫煙習慣、運動習慣などの様々な死亡リスク要因を考慮すると、統計学上の有意性が消滅しました。

断続的な不眠症のグループでは血中CRP濃度は増加していませんでした。