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白色脂肪を褐色化させてカロリー燃焼量を増加。 燃え過ぎで発熱の恐れも?

(2017年9月) ワシントン大学セントルイスの研究チームが、マウス実験において白色脂肪をいじって褐色化させることに成功したことを "Cell Reports" 誌に発表しています。

褐色脂肪と白色脂肪

ヒトなどの哺乳類には白色脂肪と褐色脂肪という2種類の脂肪があります。 白色脂肪の役割がエネルギーの貯蔵であるのに対して、褐色脂肪の役割は脂肪と糖を燃焼させて熱を作り出すことです。

新生児や冬眠中の哺乳類は震えることで熱を作り出せないので、核心温度(体の中心部の体温)を維持するために褐色脂肪で熱を作り出しています。 そういうわけで褐色脂肪は新生児や冬眠中の哺乳類に多く見られますが、成人の体にもわずかながら存在します。 また、下記のように白色脂肪が褐色脂肪的な性質を帯びることもあります。

白色脂肪の褐色化

ヒトでもマウスでも、低温にさらされたときなどに白色脂肪の組織内に褐色脂肪が形成されます。 このように形成される褐色脂肪は、その色から「ベージュ脂肪」と呼ばれます。 "brown-in-white(白色の中の褐色)" をもじって「ブライト(brite)脂肪細胞」とも呼ばれます。

褐色脂肪の実用性

褐色脂肪を増やしたり白色脂肪を褐色化させることで余分な脂肪を燃やすことが出来れば、運動をしなくても消費カロリーを増やせるため楽にダイエットできるようになります。 褐色脂肪は、心臓疾患・2型糖尿病・高血圧の予防や治療にも役立つ可能性があります。

今回の研究

マウスの遺伝子を改造して白色脂肪細胞においてPexRAPと呼ばれるタンパク質が作られないようにしたところ、マウスの白色脂肪が褐色化してベージュ脂肪になりました。

PexRAPの無効化により白色脂肪が褐色化したマウスはカロリーを燃焼しやすい体質で、カロリー摂取量は普通のマウスと同じでも体付きが引き締まっていました。

マウスを低温にさらした場合にも、白色脂肪に存在するPexRAPの量が減って白色脂肪が褐色脂肪的な性質を帯びました。

ヒトではどうか?

ヒトにおいても、PexRAPを無効化することによって脂肪を燃焼させて体重を減らすことが出来るかもしれませんが、それにはまずPexRAPを安全に無効化する方法を考案する必要があります。 PexRAPを下手に無効化すると、脂肪が燃焼しすぎて風邪をひいたときのように熱が出る恐れがあります。