アブラナ科野菜の成分がガンを幹細胞から根こそぎ退治

(2015年5月) "BMC Cancer" に掲載されたサウスダコタ州立大学の研究によると、アブラナ科の野菜の成分であるフェニチル・イソチオシアネート(PEITC)にガンの再発や一部のガンの転移を防ぐ効果が期待できるかもしれません。 出典: Plant-Derived Compound Targets Cancer Stem Cells
アブラナ科の野菜

カリフラワーやブロッコリー、ブロッコリー・スプラウト、ワサビ、キャベツ、クレソン、大根、カイワレ大根、青梗菜、ラディッシュなどがアブラナ科の野菜になります。

フェニチル・イソチオシアネート(PEITC)

PEITCは抗ガン作用が期待されているスルフォラファンと同じくイソチオシアネートの一種です。 PEITCもスルフォラファンと同様に、アブラナ科野菜を噛んだりすり潰したりことによって特定の酵素と化合物が結合して作られます。

複数の研究により、食事から摂れる量のPEITCであっても十分なガン予防効果を得られることが示されています。
ガン幹細胞

ガンの腫瘍を化学療法や放射線療法で処置すると、腫瘍は消滅するものの、ガンの幹細胞はこれらの治療法に耐性があるため生き残ることが少なくありません。

ガン幹細胞が腫瘍全体に占める割合は5%未満ですが、腫瘍を再生する能力と血流に乗って他の場所へと移動する能力を持っています。

研究者は次のように述べています:
「腫瘍中に存在するガン幹細胞を特定するのは非常に困難で、干草の山から一本の針を見つけ出すようなものです。 ガン幹細胞というものの存在自体が長らくのあいだ気付かれていませんでした」
研究の内容

ヒトの子宮頸ガンの幹細胞をPEITC(濃度は20マイクロモル)で処理する(幹細胞をPEITCに浸した?)という実験を行ったところ、24時間以内にガン幹細胞の75%が死滅しました。

別の実験では、濃度が10マイクロモルのPEITCでもガン幹細胞に対して非常に有効で、マウスの肺組織へのガンの転移を防ぐ効果には劇的なものがありました。

今回の研究の実用性

研究者によると、5~15マイクロモル程度のPEITC濃度は一部のアブラナ科の野菜(特にクレソン)を食べることによって達成できる可能性があります。

ただし、今回の研究で行ったのがマウス実験までであるため、ヒトがアブラナ科の野菜を食べても今回見られたような効果が得られるとは限りません。

研究チームは今後、ガン幹細胞の薬剤耐性をPEITCがどのように打ち破っているのかを調べる予定です。