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リン酸塩を摂り過ぎると血栓のリスクが増加

(2015年3月) "Journal of the American Society of Nephrology" に掲載されたレスター大学(英国)の研究によると、リン酸塩の摂取量が多いと血栓のリスクが増加します。 過剰なリン酸塩によって血管内皮の細胞の内部においてストレス・シグナルが発せられ、それによって血栓の形成を促進する微小粒子が放出されるというのです。

研究の背景

無機リン酸塩はどのような食事にも含まれている一般的な栄養素ですが、慢性腎疾患(CKD)の患者では余分なリン酸塩を尿として排出する機能が損なわれているために、血液や細胞にリン酸塩が蓄積します。 このような状態のことを「高リン酸塩血症」といいます。 高リン酸塩血症は、CKD患者において心血管疾患(心臓病や脳卒中)のリスクが増加する主要な要因であると考えられてきましたが、そのメカニズムはこれまで不明でした。

研究の内容

今回の研究ではこのメカニズムを解明することを目的として、高リン酸塩血症が血管内皮(lining of blood vessels)の細胞に及ぼす作用を調べました。

実験の結果、過剰な(CKD患者の血中に存在するのと同程度の濃度の)無機リン酸塩が、血管内皮細胞の内部においてストレス・シグナルを引き起こすことが明らかになりました。

ストレス・シグナルによってストレスがかかった細胞では、微小粒子(microparticle)と呼ばれる断片が細胞から分離して血栓を促進することがありました。 血栓は心臓死発作や脳卒中の原因になります。

腎臓が健康な人もリン酸塩の摂り過ぎに要注意

近代以降の西洋型の食事の大部分にはリン酸塩が多量に含まれているため、腎臓が健康な人であってもリン酸塩の血中濃度が増加する可能性があります。

さらに、代謝障害(血糖や血中脂質の異常)の中には細胞内部のリン酸塩濃度を増加させるものがあります。

リン酸塩を多く含む食品
リン酸塩は、保存料や安定剤として加工食品に添加されています。 加工食品とは、生肉や野菜などの生鮮食品以外の工場で作られた食品のことです。 スーパーで売られているソーセージやハム、缶詰、レトルト食品、冷凍食品、菓子類、パン類、ジュースなどが加工食品にあたります。