(2018年3月) "Clinical Therapeutics" に掲載されたポズナン医科大学(ポーランド)の研究によると、運動などの身体活動が若々しい肌を維持するのに有効かもしれません。
研究の方法
平均年齢34才の1型糖尿病患者119人(女性63人)を対象に、身体活動量などに関するアンケート調査を実施したほか、肌に蓄積している最終糖化産物(AGE)の量を計器で測定しました。
AGEとは
AGEは糖化(糖鎖形成)というプロセスによって生じる物質で、肌の老化を促進します。 AGEは体内で作り出されるほか、加熱調理によりAGEが発生した食品を摂取することでも体内に取り込まれます。
AGEはタンパク質を変質させる作用を通じて、貴女のお肌に次のような悪影響を引き起こします:- シワが生じる。
- 老化する。
- 紫外線でダメージを受けやすくなる。
若いうちはAGEがもたらす悪影響も平気ですが、コラーゲンやエラスチンの生産能力が衰える35才くらいから、AGEがもたらすダメージ(シワやタルミ)が目に見えるようになってきます。
結果
肌に蓄積するAGEの量は、年齢やウェスト:ヒップ比(*)が高いと多くなっていましたが、身体活動量が多いと少なくなっていました。
(*) ヒップ・サイズに対するウェスト・サイズ。 腹部脂肪が多いと数値が大きくなる。
関連研究
"Journal of International Medical Research"(2018年1月)に掲載された日本の研究でも、身体活動量が多い人は肌に蓄積しているAGEの量が少ないという結果になっています。
"European Journal of Nutrition"(2017年)に掲載されたオーストラリアの研究では、(特に腹部が)太っている場合にAGEの蓄積量が多いことが示されています。
これまでの類似研究によると、身体活動量や体脂肪量以外にも次のような生活習慣がAGEの低減に有効かもしれません:- タバコを吸わない。
- 睡眠をしっかりと取れている。
- 精神的なストレスが少ない。
- 朝食を食べる。
- 糖類をあまり摂らない。
- 肉類をあまり摂らない。