身体活動の抗不安効果 (レビュー)

(2018年7月) キングズ・カレッジ・ロンドン(英国)などの研究グループが身体活動の抗不安効果についてまとめたレビューを "Current Psychiatry Reports" 誌に発表しています。

レビューの骨子

  1. 不安障害(不安症)は精神面だけでなく肉体面にも悪影響を及ぼす。 例えば、不安障害を抱えている人は心血管疾患(心臓病や脳卒中)のリスクが高かったり早死しやすかったりする。
  2. 不安症の治療には薬物や認知行動療法による治療が効果を発揮することが多いものの、こうした治療も万全ではなく、効果が出ないケースがあったり心血管疾患のリスクを下げる効果が不十分であったりする。

  3. 近年の観察研究で、身体活動量が多い人に不安障害が少ないことが示されている。

    複数のランダム化比較試験のデータをまとめて分析したシステマティック・レビューがこれまでに複数行われており、それらによると運動が不安やストレスに起因する症状を軽減する手段として有望である。

  4. ただし、不安障害への対策としての身体活動の理想的な内容(身体活動の種類・量・激しさなど)については今後の研究で調べる必要がある。

    これまでの研究では主に有酸素運動(ジョギング・自転車・ウォーキングなど)の効果を調べたが、筋力トレーニングも有効かもしれない。 有酸素運動と筋力トレーニングとで得られる効果が異なる可能性もある。
  5. 不安障害を抱えていない人においても身体活動は、心血管疾患の予防やメンタル面の状態改善に有効である。