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身体活動と食道ガンのリスクの関係

(2017年10月) "OncoTargets and Therapy" 誌に掲載された中国の研究で、座って過ごす時間が長い人や仕事で身体を動かすことが多い人は食道ガンになるリスクが高いけれど、余暇に行う運動によってそのリスクが緩和されるという結果になりました。

「座って過ごす」とは?

座って過ごす(sedentary behaviour)」とは、目覚めて活動しているときにエネルギー消費が安静時と同程度(1~1.5METs)の活動をして過ごすことです。

具体的には、テレビ・PC・ゲーム機の使用や、デスクワーク、読書、自動車の運転などが座って過ごす」のに該当します。 寝そべって過ごすのも「座って過ごす」時間に含めるのが一般的です。

研究の方法

食道扁平上皮ガン(ESCC)(*)の患者と健常者それぞれ500人超のデータを用いて、余暇に行う身体活動(以下「運動」)の時間・職務の一環として生じる身体活動(以下「肉体労働」)の時間・座って過ごす時間の長さと食道扁平上皮ガンのリスクとの関係を調べました。
(*) 世界的に見て最も一般的なタイプの食道ガン。

結果

主な結果は次の通りです:
  • 座って過ごす時間が1日あたり3時間未満の場合に比べたときのESCCのリスクが、この時間が3~6時間以上の場合には1.5倍、7時間以上の場合には2.5倍だった。
  • 肉体労働の時間が1日あたり2時間以下の場合に比べたときのESCCのリスクが、この時間が2~4時間の場合には1.6倍、4時間超の場合には2.9倍だった。
  • 運動習慣が無い場合に比べて、運動時間が1週間あたり2時間以下の場合には48%、2時間超の場合には73%、それぞれESCCのリスクが低かった。

    運動によるリスクの緩和

  • 週に2時間を超えて運動をする場合には、1日に座って過ごす時間が7時間以上であってもESCCのリスクが増加していなかった。
  • 週に2時間を超えて運動をする場合には、肉体労働の時間が2~4時間であってもESCCのリスクが増加していなかった。
  • 週に2時間を超えて運動をする場合には、肉体労働の時間が4時間超であるときのESCCリスク増加幅が1.9倍にまで緩和されていた。

解説

肉体労働でESCCのリスクが増加していた理由として研究チームは次の2つを挙げています:
  • 肉体労働に従事する人は社会経済的状態(収入・職業・学歴など)が低い。
  • 肉体労働に従事する人のほうがストレスが多い。
肉体労働により肺ガン高血圧のリスクが増加するという研究もあります。