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運動習慣があったり運動能力が高かったりする人はガンで死ぬことが少ない

(2017年4月) "Preventive Medicine" 誌に掲載されたスタンフォード大学の研究によると、ガンで死なないようにするためには運動習慣を続けて運動能力を維持するのが良いかもしれません。

研究の方法
ガンの病歴がない退役軍人6千人近く(全員が男性。平均年齢は60才ほど)の運動能力と身体活動量(*)を調べたのち、平均で10年間ほどにわたり各種のガンによる死亡の状況を追跡調査しました。
(*) 身体活動量を調べたのは6千人のうち4千人ほどだけ。
結果

追跡期間中に7.6%にあたる447人がガンで死亡しました。

身体活動量
運動などの身体活動の量が十分だった(*)のはデータ全体の49%で、この49%の男性は残りの51%に比べてガンで死亡するリスクが20%低くなっていました。
(*) おそらく、中程度の激しさの身体活動を週に150分間。
運動能力

運動能力が最も低い(5MET(*)未満)のグループに比べて、運動能力が中程度のグループでは26%、運動能力が高いグループでは46%、それぞれガンで死亡するリスクが低くなっていました。

運動能力が1MET増えるごとにガンで死亡するリスクが5%低下するという計算になります。

(*) METとは身体活動による消費されるエネルギーの量のことで、身体活動が激しいほどMETの値は大きくなります。 例えば「睡眠」のMETは0.9で「テレビ視聴」のMETは1.0ですが、ジョギングのMETは7.0で縄跳びのMETは10.0です。

今回の研究ではおそらく、ウォーキング・マシンなどを用いて各々の男性が1回のセッションで目いっぱい運動したときの運動量を測定し、それをMETに換算したのでしょう。
補足

今回の研究は、もともとガンではない人が10年間のうちにガンで死亡するリスクについて調べたということですから、ガンになるリスクとガンになった後の生存率の両方に運動習慣や運動能力が及ぼす影響を調べたということになるでしょう。

また、運動能力は普段から運動している人のほうが高いでしょうから、運動能力の高さとガンで死亡するリスクの低さの関係にも運動習慣が関与していると思います。

ガンと運動
これまでに多数の研究で、各種のガンの予防に運動習慣が有効である可能性が示されています(*)
(*) 前立腺ガンやメラノーマ(皮膚ガンの一種)は例外的に、運動習慣があるとガンになるリスクが増えるというデータもあります。

また、既にガンになっている人についても、ウォーキングやランニングなどの運動が再発の防止・治療効果のアップ・副作用や疲労感の緩和・生存率の向上などに有効であるようです。

適度な激しさの(激しすぎると逆効果になる恐れ)有酸素運動により免疫系が活性化したり、ガン細胞への酸素供給量が増えるという話もあります。 運動には、病気により落ち込みがちな心を元気にしてくれる効果も期待できます。