身体活動量が多い男性には前立腺ガンが少ない

(2018年2月) "Asia Pacific Journal of Public Health" に掲載されたカーティン大学(オーストラリア)などによる研究で、運動などの身体活動量が多い男性には前立腺ガンが少ないという結果になりました。

研究の方法

64~75才のベトナム人男性640人のデータを用いて、身体活動量と前立腺ガンのリスクとの関係を分析しました。 データの分析においては座って過ごす時間も考慮しました。

結果

身体活動量が多い(15.8~47.3MET時間/週)場合には48%、や身体活動量が非常に多い(47.3MET時間超/週)場合には73%、それぞれ前立腺ガンのリスク(オッズ比)が低いという結果でした。 座って過ごす時間も少ないほうが前立腺ガンのリスクが低くなっていました。

MET時間について

「MET」とは「Metabolic Equivalent of Task(身体活動による消費カロリー)」のことです。 激しい身体活動であるほどMETの値は大きくなります。 例えば、時速2.7km(すごく遅いペース)での散歩のMETは2.3ですが、ジョギングのMETは7.0、縄跳びのMETは10.0です。

「MET時間」は「MET×経過時間」で計算します。 例えば、2.3METの運動を2時間行う(2.3MET×2時間)と4.6MET時間の運動量となります。

類似研究

  1. "Cancer" 誌(2013年)に掲載されたダーラム退役軍人医療センター(米国)の研究では、前立腺の生体組織検査(生検)を受ける白人男性164人と黒人男性143人に身体活動量を尋ねて、白人男性に限り、運動量が9MET時間以上/週の場合には運動量が9MET時間未満/週の場合に比べて前立腺ガンと診断されるリスク(オッズ比)が低い(-53%)という結果になっています。 黒人男性ではこのような関係は見られませんでした。
  2. "Journal of Clinical Oncology"(2017年)に掲載されたデューク大学の研究でも、308人の男性(53%が白人、47%が黒人)を調査して、白人は身体活動量が多いと前立腺ガンのリスク(オッズ比)が10%低いが、黒人(*)では身体活動量と前立腺ガンのリスクとのあいだに関係が見られないという結果になっています。
    (*) 黒人は前立腺ガンになりやすく前立腺ガンで死にやすいというデータがあります。
  3. "JAMA Internal Medicine"(2016年)に掲載された米国立衛生研究所(NIH)の研究では140万人を追跡調査したデータを分析して、運動量が多い場合には少ない場合に比べて、食道腺ガン・肝臓ガン・肺ガン・腎臓ガン・胃噴門ガン・子宮内膜ガンなどになるリスクが20%以上低下する一方で前立腺ガンになるリスクは5%増加するという結果になっています。