ガイドラインで推奨される以上に身体を動かす習慣がある人は健康に老化できることが多い

(2018年7月) "Scienfific Reports" 誌に掲載されたシドニー大学の研究で、身体活動量が現行の推奨量よりも多い中高年者は健康に年を取れることが多いという結果になりました。

研究の方法

オーストラリア在住で心臓病・脳卒中・ガンの病歴がない49才以上の男女 1,584人を対象に、過去2週間における中程度~激しい身体活動(*)の量に関するアンケート調査を行ったのち10年間以上にわたり健康状態を追跡調査しました。
(*) 10分以上継続する歩行や呼吸が激しくなるような身体活動(運動)など。

「健康な老化」の条件

以下の条件を満たす場合を「健康な老化」とみなしました:
  • 脳卒中・冠動脈疾患・狭心症・急性心筋梗塞・ガン・糖尿病が生じていない。
  • 認知機能・身体機能・精神状態・呼吸器および血管の機能が良好である。
  • 歩行障害などの障害を抱えていない。
  • 自立した生活を送れている(介護が不要で給食宅配などのサービスを利用してもいない)。

現在推奨されている身体活動量

WHO(世界保健機関)は慢性疾患の予防という観点から今のところ、身体活動量を600MET分/週以上とすることを推奨しています。

MET分について

「MET」とは「Metabolic Equivalent of Task(身体活動による消費エネルギー)」のことで、「MET分」とは「MET」を分単位に換算(×60)したものです。 5~6分ほどの歩行が100MET分の運動に相当します。

結果

1,584人のうち、「健康な老化」を達成できたのは15.7%(平均年齢60才)、普通に年を取ったのは37.8%(平均年齢62才)、死亡したのは37.8%(平均年齢71才)でした。

身体活動量が最も多かった(身体活動量が5千MET分/週以上だった)グループ(71人)は、身体活動量が最も少なかった(1千MET分/週未満だった)グループ(934人)に比べて、10年という期間において「健康な老化」を達成できた人の割合(オッズ比)が2.08倍でした。