ピオグリタゾンにより膀胱ガンのリスクが増加する恐れ

(2016年4月) "*The BMJ*" に掲載された研究によると、ピオグリタゾンという糖尿病の薬(血糖値をコントロールする)により膀胱ガンのリスクが増加する恐れがあります。出典: Pioglitazone use and risk of bladder cancer: population based cohort study
ピオグリタゾンと膀胱ガン
2005年に行われた試験で偶然、プラシーボを服用するグループに比べてピオグリタゾンを服用するグループの方が膀胱ガンが多いことが示されました。 それ以来、ピオグリタゾンと膀胱ガンの関係について議論がなされていますが、複数の関連研究の結果は一致していません。
研究の方法

2000~2013年のうちに各種の糖尿病治療薬の服用を新規に開始した英国人 145,806人のデータを分析しました。 分析においては、年齢・性別・糖尿病である期間・喫煙習慣・飲酒関連障害などの要因を考慮しました。

結果

チアゾリジンジオン系以外の糖尿病治療薬を服用している場合に比べて、ピオグリタゾンを服用している場合には膀胱ガンのリスクが63%高くなっていました(10万人年あたり89人に対して10万人年あたり121人)。 ピオグリタゾンの使用期間が長くと用量が多いほど膀胱ガンのリスクが高くなっていました。

ロシグリタゾンの場合

ピオグリタゾンと同じくチアゾリジンジオン系の薬であるロシグリタゾンでは、膀胱ガンのリスクは増えていませんでした。 したがって、膀胱ガンのリスク増加はチアゾリジンジオン系に共通するものではなくピオグリタゾンに特有のものかもしれません。

感度分析

感度分析を行っても、これらの結果に大きな変更はありませんでした。

解説
ピオグリタゾンで膀胱ガンのリスクが増えるにしても、絶対リスクで言えば大きなリスクではありません。 しかしながら研究チームは、治療法を検討する際には医師も患者もピオグリタゾンにより膀胱ガンのリスクが増加する可能性も考慮するべきであると述べています。