分娩後に自分のプラセンタを食べても効果は無さそう。 リスクも不明

(2015年6月) "Archives of Women's Mental Health" に掲載予定であるノースウェスタン大学(米国)のレビューによると、プラセントファジーに言われているような健康効果は無いと思われます。

プラセントファジーとは

胎盤(プラセンタ)を有する哺乳類はヒトを除くほぼ全てが分娩後に自分の胎盤を食べてしまいます。 このように胎盤を食べることを「プラセントファジー」と言います。 記録に存在する限りでは、ヒトで最初にプラセントファジーを行ったのは 1970年代に北米で分娩後に自分の胎盤を食べた女性です。

近年になって、プラセントファジーの健康効果がマスコミで取り上げられるようになり、分娩後にプラセントファジーを行うことを検討する女性が増えています。 しかしプラセントファジーがもたらすリスクは不明で、女性が授乳中の場合には乳児にまで何らかのリスクが及ぶ可能性があります。

胎盤は胎児にとってのフィルターとして機能し、有毒物質や汚染物質が胎児に届かないように吸収します。(つまり胎盤には有害な物質が蓄積している可能性がある?)

レビューの方法

ヒトまたは動物を対象に行われた10の研究のデータを分析しました。 プラセントファジーの有害性を調べた研究は1つも見つかりませんでした。

結果

胎盤を生で、加熱調理して、またはカプセルに入れて摂取しても、産後鬱・分娩後の痛み・活力増進・母乳の分泌促進・肌の柔軟性改善・母子の絆の増強・鉄分補充などの効果は得られないという結果でした。

研究者は次のように述べています:
「プラセンタを摂取して何らかの効果があったことを報告する女性が多数いますが、このような報告はいずれも主観的なデータでしかありません。 (プラセンタの有効性を示す)マウス実験の結果にしても、そのままヒトに適用できるわけではありません」

豚などの動物のプラセンタを原料とするサプリメントや化粧品が市販されていますが、今回の話はそういうサプリメントの話ではなく女性が分娩後に自分の胎盤を食べるという行為に限った話であるようです。

プラセントファジーの根底にある思想は 『動物にとって分娩後に胎盤を食べるのが自然な行為だからヒトでもそれは自然な行為であるはずで、そうであるならば自分や赤ちゃんにとって有益なはずだ』 というものなのでしょう。