ベジタリアンの慢性腎疾患のリスクが低いとは限らない。 ベジーな食生活の中身が大切

(2019年4月) "Clinical Journal of the American Society of Nephrology" に掲載されたジョンズ・ホプキンス大学などによる研究で、植物性食品を中心とする食生活と慢性腎疾患(CKD)になるリスクとの関係が調査されています。

研究の方法

中年男女 14,686人を対象に、食生活に関するアンケート調査を実施したのち24年間前後にわたりCKDの発生状況などを追跡調査しました。

この研究では、植物性食品中心の食生活を次の3種類に分類して、それぞれにつきCKDリスクとの関係を分析しました:
  1. 健康的な植物性食品中心の食生活: 糖類と精白糖質を除く植物性食品をよく食べ、動物性食品をあまり食べない。(全粒穀物・果物・野菜・ナッツ類・豆類・茶・コーヒーの摂取は加点。 精白穀物・じゃがいも・果物ジュース・甘味料(人工甘味料を含む)が使われた飲料・菓子類の摂取は減点。 動物性脂肪・乳製品・卵・魚貝類・獣肉・鶏肉の摂取は減点)
  2. 不健康な植物性食品中心の食生活: 動物性食品をあまり食べないものの、糖類や精白糖質をよく食べる(全粒穀物・果物・野菜・ナッツ類・豆類・茶・コーヒーの摂取は減点、精白穀物・じゃがいも・果物ジュース・甘味料(人工甘味料を含む)が使われた飲料・菓子類の摂取は加点。動物性脂肪・乳製品・卵・魚貝類・獣肉・鶏肉の摂取は減点)
  3. 植物志向の食生活: 精白度にかかわらず植物性の食品をよく食べる。(全粒穀物・果物・野菜・ナッツ類・豆類の摂取は加点。 精白穀物・じゃがいもの摂取も加点。 茶・コーヒー・果物ジュース・甘味料(人工甘味料を含む)が使われた飲料・菓子類の摂取の摂取は無視。 動物性脂肪・乳製品・卵・魚貝類・獣肉・鶏肉の摂取は減点)
  4. 植物性食品中心の食生活: 健康か不健康かにかかわらず植物性食品をよく食べ、動物性食品をあまり食べない(植物性の食品や甘味料が使われた飲食物はすべて加点で、動物性の食品はすべて減点)
上記の「加点」と「減点」というのは、各食生活のスコアの加点と減点。 スコアが高いほどその食生活に近い。

結果

追跡期間中に 4,343件がCKDが発生しました。

食生活が「健康的な植物性食品中心の食生活」に近い人は遠い人に比べて、CKDになるリスクが14%低下していました。

また、食生活が「植物志向の食生活」に近い人は遠い人に比べて、CKDになるリスクが10%低下していました。

逆に、食生活が「不健康な植物性食品中心の食生活」に近い人は遠い人に比べて、CKDになるリスクが11%増加していました。

また、「健康的な植物性食品中心の食生活」や「植物性食品中心の食生活」に食生活が近い場合には、腎機能(eGFR)の低下ペースが鈍化していました。

研究グループの推算によると、食生活が「健康的な植物性食品中心の食生活」からかけ離れていることに起因するCKDの発生件数はCKDの発生件数全体の4.1%を占めます。