政治的に保守的な人はタバコを吸わないがタバコに寛容

(2017年12月) "Tobacco Induced Diseases" 誌に掲載されたインペリアル・カレッジ・ロンドン研究で、政治的な立ち位置(保守かリベラルか)と喫煙習慣の関係が調査されています。

研究の方法

欧州28ヶ国から選出された15才以上の男女2万2千人超を対象に、喫煙習慣・タバコの規制に関する政策への態度・政治的な姿勢などに関するアンケート調査を実施しました。

政治的な姿勢の判定

政治的な姿勢の判定は次の質問により行いました:

政治的な事柄に関して「左翼」や「右翼」という言葉が使われますが、この目盛りで言えば、あなたの政治的な姿勢はどこに位置しますか?

「この目盛り」は10点満点で、点数に応じて次のように分類されました:
  • 1~2点: 極左(far-left)
  • 3~4点: 中道左派(center-left)
  • 5~6点: 中道(center)
  • 7~8点: 中道右派(center-right)
  • 9~10点: 極右(far-right)

今回の研究における右翼/左翼の判定は主観的なものだったということになります。 右翼/左翼を構成する性質や要素の認識も人によって違ったことでしょう。 客観的に見れば左翼である人が自分では「わたしは右翼」だと判断したという可能性すら考えられます。

結果

喫煙率

各グループの喫煙率は次の通りでした:
  1. 極左: 30.0%
  2. 極右: 28.8%
  3. 中道: 27.5%
  4. 中道左派: 23.8%
  5. 中道右派: 23.1%
政治的な姿勢が「中道」だったグループに比べて:
  • 「極左」グループは喫煙習慣があるリスク(オッズ比)が13%高く、
  • 「中道右派」グループは喫煙習慣があるリスクが16%低い

という計算になります。

タバコの規制に関する態度

タバコの規制に関しては、政治的に左寄りのグループはタバコの規制を支持する傾向にあり、「中道右派」グループはタバコの規制を支持することが少ない傾向にありました。

以下の表はタバコを規制する各種の政策に賛成する人の割合が多いか少ないかを「中道」グループを基準として比較した結果です。 太字の数字が、統計学的に有意な(95%CI値に問題が無い)結果です。

広告の禁止 フレーバー・タバコの禁止 グロいパッケージにする タバコ税増税 販売禁止 オンライン販売の禁止 公共の場での電子タバコ禁止
極左 +6% (0.96-1.18) +6% (0.96-1.17) +7% (0.97-1.19) -1% (0.89-1.10) -4% (0.87-1.06) +3% (0.93-1.14) 0%
(0.90-1.10)
中道左派 +10% (1.01-1.19) +2%(0.94-1.10) +1% (0.94-1.10) +6% (0.97-1.15) +11% (1.02-1.20) -3% (0.89-1.05) -3% (0.90-1.05)
中道右派 -13% (0.79-0.94) -14% (0.79-0.94) -10% (0.83-0.98) -4% (0.88-1.05) -12% (0.81-0.96) -11% (0.81-0.96) -3% (0.89-1.05)
極右 -15% (0.75-0.95) -3% (0.87-1.09) +1% (0.90-1.13) -1% (0.88-1.11) -12% (0.78-0.98) +4% (0.92-1.16) +3% (0.92-1.15)

結論

政治的に左寄りの人はタバコを吸うことが多いのにタバコの規制に賛成の人が多い傾向にあり、右寄りの人はタバコを吸うことが少ないのにタバコの規制に反対の人が多い傾向にあるという面白い結果となりました。