ポリフェノール類の動脈スティフネスへの効果には腸内細菌も関与(レビュー)

(2019年3月) アントウェルペン大学(ベルギー)などの研究グループがポリフェノールの動脈スティフネスへの効果についてまとめたレビューを "Nutrients" 誌に発表しています。

レビューの概要

  1. 動脈スティフネスの増大は血管の劣化であり、心臓病や脳卒中のリスク要因である。 動脈スティフネスは加齢により進行する。 動脈スティフネスが進行すると血管が圧力の変化に応じて伸縮する能力が低下する。 動脈スティフネスは主に弾性動脈の細胞外基質に影響することによって血管の柔軟性を損なう。
  2. 近年の研究で、食事から摂取するポリフェノールが動脈スティフネスの病態生理および進行に関与するメカニズムに干渉することが示されている。
  3. ポリフェノールの動脈スティフネスへの作用は、血管機能・酸化ストレスの程度・炎症・糖化・オートファジーなどの経路によると考えられている。
  4. ポリフェノールは動脈スティフネスに対して、直接的に作用する以外にポリフェノールの代謝物を介して間接的にも作用すると考えられる。 こうしたポリフェノール代謝物は人体のほか人体に住む細菌によっても作り出される。
  5. したがって、ポリフェノールは動脈スティフネスに対する効果には腸内細菌の種類構成も影響する。その一方で、ポリフェノールが腸内細菌に影響を及ぼしもする。 ゆえに、ポリフェノールが腸内細菌に影響し、それによって腸内細菌が作り出す代謝物に変化が生じることも考えられる。
  6. ポリフェノール類によりラクトバチルス菌やビフィズス菌などが増加したという研究が複数存在する。
  7. 動脈スティフネスに対して効果のあるポリフェノールとして研究が行われているのは、フラバノール(ココア)、イソフラボン、およびアントシアニンが主である。
  8. ただし、こうした研究の大部分は小規模であるうえに、使用したポリフェノールの種類も用量も様々であるので、今後いっそうの研究が必要である。 食品中のポリフェノール含有量が食品の栽培環境・貯蔵・調理法などによって異なるし、 食品中に含まれる他の成分によりポリフェノールの生体利用性が影響される可能性も高いので、こうした点にも留意が必要だ。