所得格差は子供の脳の発達にも表れる③

(2015年3月) "Nature Neuroscience" オンライン版に掲載予定のコロンビア大学などによる研究で、世帯収入と子供の脳の構造の間に相関関係が認められるという結果になりました。 (出典: Family Income, Parental Education Related to Brain Structure in Children and Adolescents

研究の方法

この研究では、正常に成長している3~20才の子供たち 1,099人の社会・経済的状態(親の収入や学歴など)や脳の表面積などに関するデータを分析しました。

結果

教育水準・年齢・人種などの要因を考慮した分析の結果、世帯収入と子供の脳の表面積のあいだに相関関係が見られました(世帯収入が多いほど子供の脳の表面積が広い傾向にあった)。 両親の教育水準よりも世帯年収の方が、子供の脳の表面積とのあいだの相関関係が強力でした。

所得が最低の層においては、収入が僅かに違うだけで脳の表面積の差が大きく異なっていました。 これに対して、所得がもっと多い層では収入の違いによる脳の表面積の差は比較的小さくなっていました。

世帯収入によって差が出ていたのは、脳の領域のうち学業に関与する部分の表面積でした。 世帯収入が多い子供は特定の認知能力テストの成績も良い傾向にありました。 この傾向には脳の表面積の広さも関与している可能性があります。

研究者は次のように述べています:
「裕福な家庭の子供は、栄養・医療・教育・遊び・空気の質など様々な面において恵まれています。 これらの環境的な要因はいずれも発達中の脳に大きな影響を与えます」