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運動後には血液に抗ガン効果が備わる

(2017年9月) "Cancer Research" 誌に掲載されたコペンハーゲン大学病院の研究によると、乳ガン患者が運動をした直後には血液にガン細胞を抑制する効果が備わるようです。

研究の方法

健康な女性7人と初期の乳ガンで手術を受けた後にアジュバント化学療法(術後補助化学療法)を続けている乳がん患者20人に中~高強度の運動を2時間にわたり行ってもらい、運動の前後に血液を採取しました。 そして、その血液を用いて細胞実験とマウス実験を行いました。

結果

細胞実験

乳ガンの有無にかかわらず運動後に採取した血液は運動前に採取した血液に比べて、MCF-7というタイプの乳ガン細胞とMDA-MB-231というタイプの乳ガン細胞の生存を妨げる効果が強く見られました。

マウス実験

ガン細胞をマウスに注射するという実験では、運動後の血液にMCF-7細胞がマウスの体内で腫瘍を形成する率を半減する効果が確認されました。 運動前の血液を投与したときには90%の率でMCF-7細胞が腫瘍を形成したのに対して、運動後の血液を投与したときには45%の率でしかなかったのです。

アドレナリンが関与

運動後の血液がMCF-7細胞を抑制する効果は、腫瘍を抑制するシグナル伝達経路として知られる「Hippoシグナル伝達経路」をアドレナリンが活性化させることにより生じているようでした。 アドレナリンがMCF-7細胞の表面に存在する受容体に結合できないようにしたところ、MCF-7細胞が生存したり腫瘍を形成したりするのを抑制する効果が低下しました。

MDA-MB-231細胞を抑制する効果にはアドレナリンも「Hippoシグナル伝達経路」も関与していないようでした。

解説

MCF-7はホルモン受容体陽性の乳ガン細胞で、MDA-MB-231はトリプル・ネガティブの乳ガン細胞です。 今回の結果は、「運動による再発リスクの低下がトリプル・ネガティブの乳ガンよりもホルモン受容体陽性の乳ガンで顕著である」という既存のデータと合致します。

コメント

研究者は次のように述べています:
「今回の結果からも『乳ガン患者には中~高強度の運動が有益である』と言えそうですが、運動習慣を開始するのは医師に相談してからにしましょう」
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