プロトンポンプ阻害薬で心臓発作のリスクが増加

(2015年6月) "PLOS ONE" に掲載されたスタンフォード大学などの研究で、プロトンポンプ阻害薬(PPI)と呼ばれる制酸薬(胃酸の分泌を抑える薬)を使用している人では心臓発作のリスクが通常の16~21%増加するという結果になりました。出典: Heart Attack Risk Increases 16-21% with Use of Common Antacid

研究の方法

この研究ではスタンフォード病院および Practice Fusion, Inc という企業から入手した合計290万人分の医療データを調査しました。

結果

PPIを使用していた患者では心臓発作のリスクが1.16~1.21倍に増加していました。 H2ブロッカーという別種の制酸薬では心臓発作のリスクは増加していませんでした。

周辺情報

今回の研究は同じ研究チームが行い2013年に "Circulation" 誌に掲載された研究に基づいています。 2013年の研究では、PPIが長期的に心血管疾患(心臓病や脳卒中)の原因となり、心臓発作のリスクを増加させる可能性が分子レベルで示されました。

研究者は次のように述べています:
「私どもの以前の研究でPPIが血管内皮に悪影響を与えることが示されました。 そこからPPIの服用により健康な人でも心臓発作のリスクが増加するという仮説に至りました。 今回の研究では、PPIとその他の胃薬とで(心臓発作のリスクが)どう異なるかを調べました」
当初、PPIで心臓発作のリスクが増加するのは冠動脈疾患を抱えていて心臓発作予防のためにクロピドグレルという抗血小板薬を服用している患者だけだと考えられていましたが、今回の研究によると、そのような患者に限らずPPIにより心臓発作のリスクが増加すると思われます。