妊娠前の体重で生まれる子供の寿命に差がつく?

(2016年10月) "BMC Medicine" 誌に掲載された Universiteit Hasselt(ベルギー)の研究によると、妊娠前に太っていると生まれる子供が短命になったり病気にかかりやすくなったりする恐れがあります。 妊娠前に太っていた女性から生まれた子供は生物学的な老化の指標であるテロメアが短かったのです。出典: Maternal pre-pregnancy body mass index and newborn telomere length

研究の方法
出産後の女性743人を対象に、夫婦の年齢・社会経済的状態(収入・職業・学歴など)・体重・喫煙習慣・妊娠合併症などに関するアンケート調査を実施しました。 妊娠前および出産前の体重は医療記録で調べました。新生児のテロメアの長さは、出産直後に採取した臍帯血(*)を用いて調べました。
(*) へその緒から取れる血。

データの分析においては、夫婦の年齢・社会経済的状態・人種・母親の喫煙習慣・新生児の性別・出生時体重などテロメアの長さに影響すると思われる要因を考慮しました。

女性たちの年齢は17~44才(平均年齢29.1才)で、平均BMIは24.1でした。
結果
母親の妊娠前のBMIが1ポイント増えるごとに、新生児のテロメアの長さが50塩基対ほど短くなっていました。 研究チームによると50塩基対というのは、1.1~1.6年分の老化に相当します。
BMIが5ポイント違えば、赤ちゃんの老化の程度に5.5年から8年ほども差がつくということになります。
コメント
研究者は次のように述べています:

「母親のBMIが通常範囲内にある場合に比べて、母親がBMI的に肥満であった場合には、出生直後の子供が分子レベルで老けていました。 テロメアが短いということは、細胞の寿命が短いということだからです」

「子供を産む年齢の頃には健全なBMIを維持しておくことで、生まれる子供が分子レベルで長命になるかもしれません」
留意点
新生児のテロメアの長さには父親のBMIも影響する可能性がありますが、今回の研究では父親のBMIは調べませんでした。