糖尿病を予防するには激しくない運動をたっぷりと行うと良い

(2016年7月) "Diabetologia" 誌に掲載されたデューク大学(米国)の研究によると、糖尿病前症の人の血糖コントロールにはジョギングのように激しい運動よりも、ウォーキング(ただし速いペース)のように中程度の激しさの運動のほうが効果的かもしれません。出典: Moderate Exercise Might Be More Effective at Combatting Pre-Diabetes

研究の方法
糖尿病前症の患者150人を、次の4つのグループに分けて、経口耐糖能(*)の改善幅を比較しました:
  1. 低脂肪食によるカロリー制限と中程度の激しさの運動により体重を7%減らすことを目標とするグループ(運動の内容は、速いペースでのウォーキングを週に12kmというもの)
  2. 運動だけのグループ(速いペースでのウォーキングを12km/週)
  3. 運動だけのグループ(速いペースでのウォーキングを18.5km/週)
  4. 運動だけのグループ(ジョギングを12km/週)
(*) 糖尿病の進行の度合いを調べる検査の結果。
結果
各グループの経口耐糖能の改善幅は次のようなものでした:
  • グループ1: 9%
  • グループ2: 5%
  • グループ3: 7%
  • グループ4: 2%

つまり、中程度の激しさの運動をたくさんするだけで、食事制限までする場合の80%近い効果が得られるというわけです。 逆に、がんばって激しい運動をしても、あまり効果は出ません。

解説
中程度の激しさの運動のほうが効果が高い理由について、研究者は次のように説明しています:
「高強度の運動は脂肪よりもグルコース(ブドウ糖)をよく燃焼させる傾向にあります。 中強度の運動は逆に、グルコースよりも脂肪をよく燃焼させます。 中強度の運動により筋肉中に存在する脂肪が燃焼したために、筋肉が(血中の)グルコースを利用しやすい状態になったのだと考えられます。 筋肉は食後のグルコースを貯蔵する主要な場所です(したがって、血糖コントロールにおいて筋肉のグルコース利用能力は大切です)」