糖尿病前症のタイプによっては多価不飽和脂肪が糖尿病の抑止に有益?

(2016年3月) "PLOS ONE" に掲載されたキングズカレッジ・ロンドンの研究によると、IGT(耐糖能障害)が生じている糖尿病前症患者(*)に限り、食事に含まれる飽和脂肪を多価不飽和脂肪(†)に置き換えることで糖尿病への進行を遅くできるかもしれません。

(*) IGT、IFG(空腹時血糖異常)、またはIGTとIFGの両方が生じていると糖尿病前症とみなされます。 IFGでは肝臓でグルコース(ブドウ糖)が過剰に生産されるのに対して、IGTでは筋肉がグルコースを適切に取り込めません。

(†) オメガ3脂肪酸やオメガ6脂肪酸のこと。 植物性の油やナッツ類に多く含まれています。
研究の方法

健康な人15人・運動選手14人・肥満者22人・糖尿病前症患者10人・2型糖尿病患者11人を対象に、食事に関するアンケート調査と血液検査を行いました。

結果

筋肉によるグルコースの取り込みが損なわれている(IGTである)場合に限り、食事に含まれる飽和脂肪を多価不飽和脂肪に置き換えることのが糖尿病発症を遅らせるのに有益でした。

解説
多価不飽和脂肪により、筋肉によるグルコースの取り込みが促進されるのだと考えられます。 肝臓におけるグルコースの生産が過剰となるタイプの糖尿病前症では、飽和脂肪の摂取量を減らした場合に糖尿病への進行が鈍化したものの、飽和脂肪を減らした分だけ多価不飽和脂肪の摂取量を増やしても効果は見られませんでした。