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未熟児ではアイコンタクトを避けないのが逆に自閉症の兆候?

(2015年7月) 未熟児では自閉症(ASD)のリスクが増加することが知られていますが、"The American Journal of Occupational Therapy" に掲載されたワシントン大学の研究によると未熟児の場合には、アイコンタクトに対する反応が妊娠満期で生まれた赤ちゃんと逆になるかもしれません。出典: Preemies at High Risk of Autism Don’t Show Typical Signs of Disorder in Early Infancy

研究者は次のように述べています:
「自閉症児は人との交流を避けたがるためにアイコンタクトを避けるのが一般的ですが、今回の研究において2才の時点で自閉症的な性質が見られた赤ちゃん(未熟児)は、2才より前の時期においてアイコンタクトを受け止める傾向にありました」

自閉症は早期の介入(治療)が有効です。 生後2~6ヶ月の時点でも自閉症の兆候を確認することはできますが、2才より前の時点で自閉症であると(明確に)診断するのは困難です。

研究の方法

この研究では妊娠満期より10週以上早く生まれた未熟児62人を対象に、正期産の場合の出産予定日までの期間にわたり、アイコンタクトに対する反応(視線を合わせるか避けるか)や眼震(眼球が左右に反復的に動くこと)の有無などを調べ、赤ちゃんたちが2才になった時点で自閉症の検診を行いました。

結果

62人のうち反応を確認できたのは58人でした(残り4人は研究者が訪問するタイミングでいつも寝ていた)。 58人の赤ちゃんのうちアイコンタクトにおいて視線をそらしたのは41人、眼震が見られたのは21人でした。 眼震が見られた赤ちゃんのうち19人は視線を逸らしました。

2才のときの検診で自閉症の疑いがあると判断されたのは21%(*)にあたる13人でした。 アイコンタクトにおいて視線を逸らし眼震が見られた赤ちゃんの多くは自閉症の疑いがありませんでした。

(*) 2011年に "Pediatrics" 誌に発表された研究では低体重児(未熟児)で自閉症のリスクが5%(通常の5倍)ということですから、21%というのは未熟児にしても大きな数字です。

プレスリリースには「a particularly high-risk group of young children: those born prematurely(特に高リスクの赤ちゃん。すなわち未熟児)」としかありませんが、単に未熟児というだけでなく兄弟に自閉症児がいるなど自閉症のリスクが特に高い未熟児ばかりを集めた研究だったのでしょうか? (ニュースの元となった論文のアブストラクトにも単に「未熟児」としかありませんでした)
考えられる理由
未熟児の場合、視線を合わせないというのは未熟児ならではのストレスに対処する防御反応の1つなのかもしれません。 だとすれば、視線を逸らさないというのは逆にストレスを避ける能力が欠如しているということになります。