超未熟児の母親の母乳には免疫タンパクが多く含まれている

(2016年4月) "British Journal of Nutrition" に掲載された西オーストラリア大学の研究により、超未熟児の母親の母乳には免疫タンパクが平均よりも多量に含まれていることが明らかになりました。出典: "Mum's with preemie babies have better breast milk" by Narelle Towie

研究の概要

2013年にオーストラリアのキング・エドワード記念病院で子供を産んだ女性60人の母乳に含まれる抗菌性のタンパク質およびぺプチドの量を、出産後3日後・10日後・28日後の時点で調べて上記の結果に至りました。

初乳は抗菌食
この研究では、初乳(*)のタンパク質成分の60%超(母乳の成分全体では約1/3)が免疫・抗菌作用に資するものであることも明らかになりました。
(*) 出産直後の数日間に出る母乳。
解説

妊娠28週目より前に生まれた超未熟児は、30~40%が遅発性敗血症(新生児に最も多い死因の1つ)になります。 したがって、超未熟児の母親の母乳には新生児を感染症から保護する抗菌成分が不足しているのだと思われましたが、実際にはその逆で、妊娠満期で子供を生んだ母親の母乳よりも抗菌成分が高濃度で含まれていました。

研究者によると、超未熟児の母親の母乳に免疫タンパクが多いのは、母親自身の体が感染症(早産のリスク要因)と闘っているためかもしれません。 早産の原因が母体の炎症であることが少なくありませんが、全身性の炎症に乳腺が反応して(母乳に含まれる免疫タンパクが増えて)いるのではないかと考えられるのです。