僅かな早産でも成人後の年収に悪影響?

(2013年9月) "Pediatrics" 誌に掲載されたフィンランドの研究によると、早産は、生まれてくる子供の教育水準と就職に長期的な影響を及ぼします。 後期早産(妊娠34~36週目での出産)で生まれた子供は、成人後に肉体労働者になって収入も比較的少なくなる傾向が強いというのです。

研究の方法

この研究では、1930~1940年代のあいだにヘルシンキの病院で生まれた 9,000人を、出生から50~60代になるまで追跡調査しました。 このうちの 500人ほどが僅かな早産であり、それ以外は37~41週で生まれました。

結果
僅かに早産だった子供は正期産で生まれた子供に比べて:
  • 基礎教育(義務教育のことでしょう)または中等教育(高校のことでしょう)しか受けていない率が31%増加していた。
  • 事務職(デスクワーク)ではなく肉体労働の仕事に就く率が65%増加していた。
  • 父親よりも社会的な地位の低い職業に就くケースが増えていた。
  • 中年の時点で、年収が最低水準となるリスクが33%増加していた。

これらの結果は、両親の社会経済学的な地位および性別を考慮したうえでのものです。

解説

研究グループによると、早産で生まれた子供は、出生時の健康状態が良くないことが多いため、それが後の健康状態や社会経済学的(学歴や、職業、収入)な地位に影響している、あるいは、胎内で過ごす時間が数週間短いことが胎児の脳の発達に影響し、そのために生後の学業などにおいて不利になるなどの可能性があります。

今回の研究に関与していないスタンフォード大学の研究者は次のように述べています:

「未熟児における懸念は、後期早産よりも、妊娠24~30週目で生まれる早期早産の場合に深刻です。 生まれてすぐ死亡するなどの合併症のリスクが、早期早産の場合に高いためです。

34~36週目で生まれる後期早産については、これまであまり心配されていませんでしたが、最近になって、後期早産が、子供の後々の人生にまで長期的な悪影響を及ぼすリスクをもたらすことも明らかになってきました。

ただし、生まれるのが数週間早いという程度では、長期的な悪影響の心配の無いお子さんも多いですよ」
妊娠期間には最大で5週間の個人差があるとする研究(下記)もありますから、そういう自然な個人差により平均よりも早く生まれた場合には、平均よりも早産であっても、後の人生への悪影響は無いのでしょう。