未熟児の自律神経発達にはマッサージが有効。ただし男児だけ

(2013年5月) "Early Human Development" 誌に掲載されたルイビル大学(米国)の研究によると、マッサージによって低体重児(未熟児)の自律神経系の発達を促すことができます。 ただし、マッサージが有効なのは男児だけです。

未熟児の自律神経系

未熟児は、ストレス応答やストレス回復を支配する自律神経系(ANS)の発達が不十分なままに生まれてくるため、新生児集中治療室の環境でさえもストレスになります。 換気用の機械や、医療的な処置、オムツの交換などのケア、母親からの隔離などの全てがストレスになるのです。 未熟児はストレスを適切に処理できないため、ANSの機能と発達を促進するための介入が必要となります。

今回の研究によると、マッサージ療法が未熟児のANSの発達を促しストレスを減少するのに有効かもしれません。 未熟児に対するマッサージでは、軟部組織(筋肉・脂肪・線維組織・血管など)に対して適度な圧力を加えたり、撫でたりしたのちに、腕と脚の関節を曲げ伸ばしします。

研究の方法
この研究では、21人の男女の未熟児にマッサージ療法を行いました。 そして、マッサージ後に赤ちゃんの心拍変動(HRV)を、睡眠中およびケアを受けているときの2つの時点で計測しました。(心拍変動については、「日常的な騒音でも心臓発作のリスクが増加」を参照)
ANS と HRV
HRV は、ANS の機能および発達の目安になります。 妊娠満期で生まれた赤ちゃんでは HRV の増加が認められますが、未熟児では HRV が低下していて、ストレスに対して適切に反応できません。
結果

男の未熟児ではマッサージを受けたグループ(4人)で HRV が毎週増加していましたが、女児ではマッサージを受けなかったグループとの間に違いが見られませんでした。 マッサージを受けた男児に見られた HRV の増加は、満期で生まれた赤ちゃんに見られる HRV の増加と同様のものでした。

女児ではマッサージの効果が見られなかった理由について研究グループは、ホルモンの違いが原因ではないかと推測しています。