閲覧以外でのコンテンツの利用をお考えの方は引用・転載をするときのルールをご確認ください。
Copyright (c)2013-2017 最新健康ニュース All Rights Reserved.

未熟児に投与するビタミンDの量

未熟児はビタミンD不足(WHOの定義によるとビタミンDの血中濃度が 20 ng/ml未満)になるリスクがあり、ビタミンD が少なすぎると「くる病」(O脚や背骨弯曲の原因となる)になる恐れがありますが、インドの研究によると、未熟児に投与するビタミンD の量は 400IU/日よりも 800IU/日が良いようです。

いろいろな医学組織(WHOなど)が、未熟児に与えるべきビタミンDの推奨量を発表していますが、その量は組織によって 400IU~1000IU とまちまちです。 そこで、研究グループは、これまでで最大規模の研究を行って、未熟児に必要なビタミンDの補給量を調べました。

研究方法
今回被験者となったのは、妊娠28~34週目に生まれ、母乳を与えられている乳児96人でした。 乳児たちの血液サンプルを採取してビタミンD の血中濃度を調べたのち、乳児たちを2つのグループに分けて 400IU または 800IU のビタミンD3 を経口で投与しました。

そして、修正月齢で妊娠40週目(満期出産に相当)および生後3ヶ月目の時点で、ビタミンD投与量によるビタミンD不足発生率をグループ間で比較しました。 加えて、生後3ヶ月目の時点で、ビタミンD量が多いほど骨が強くなっているかどうか、およびビタミンDが投与過剰になっていないかどうかも調べました。

ビタミンD 血中濃度は上がっていた
その結果、ビタミンDを補給する前の段階では、どちらのグループでもビタミンD不足の未熟児が大多数(400IU のグループで79%、800IU のグループで83%)でした。

このビタミンD不足率が、ビタミンD投与開始後、妊娠40週目の時点では、400IU のグループでは67%、800IU のグループでは38%に、そして生後3ヶ月の時点では35%(400IU)と12%(800IU)にまで減少していました。

400IU/日でも、妊娠40週目から生後3ヶ月にかけてビタミンD不足の率が減少傾向にあったので、研究者は、3ヶ月目以降は 400IU/日でも十分かもしれないと考えています。

ビタミンD 血中濃度は上がれども...
800IU を投与されたグループで、ビタミンD の血中濃度が改善されていたにも関わらず、生後3ヶ月の時点で行われた二重エネルギーX線吸収測定法による骨の強さの検査では、骨塩量が改善されていませんでした(グループ間の比較ではなく、ビタミンD投与開始前との比較のようです)。 さらに、両グループ間で、体重、身長、頭囲の差は見られませんでした。

800IU で過剰症の赤ちゃんが一人
800IU を投与されていたグループに、生後3ヶ月の時点でビタミンD の血中濃度が推奨値を超えている赤ちゃんが一人いました。 この赤ちゃんは、妊娠49週目時点の計測では通常範囲内のビタミンD血中濃度でした。

ビタミンDの過剰が一ヶ月以上続くと、筋緊張(筋肉の正常な緊張)が弱まる、食欲が落ちる、むずがるなどの症状が出ることがあります。 この赤ちゃんの場合は、大した問題は生じませんでした。

ビタミンDが過剰となった赤ちゃんがいたことから、研究者は、ビタミンDを乳児に投与する場合にはビタミンDの血中濃度の検査が必要かもしれないとしています。