妊娠に伴う脳卒中リスクの増加に注意が必要なのは、むしろ若い妊婦

(2016年10月) "JAMA Neurology" に掲載されたコロンビア大学の研究によると、妊娠によって脳卒中のリスクが増加するのは35才未満の比較的若い女性です。

目新しい点
これまでの研究では、妊娠が関与する脳卒中のリスクが比較的高齢の女性で高くなることが示されていました。 しかし今回の研究では、年齢の影響を除外して純粋に妊娠による脳卒中リスクの増加だけを見れば、妊娠で脳卒中のリスクが増加するのは比較的高齢の女性よりもむしろ若い女性であるという結果になりました。
妊娠が関与する脳卒中は10万人に34人の割合で発生すると推参されています。
研究の方法

ニューヨーク州で 2003~2012年のうちに脳卒中で入院した12~55才の女性1万9千人ほどのデータを分析しました。 1万9千人ほどのうち、脳卒中の発生が妊娠中または出産直後だったのは797人(4.2%)でした。

結果

妊娠中または出産直後における脳卒中の発生率については、これまでのデータと同様に高齢になるほど高くなっており、45~55才では10万人あたり47人、12~24才では10万人あたり14人でした。

ところが、脳卒中で入院した女性たちを妊娠中・出産直後のグループとそうではないグループとに分けて比較したところ、12~24才の場合には妊娠中・出産直後のグループで脳卒中リスクが2倍超に増加していました。 妊娠中・出産直後でないグループで脳卒中の発生率6.4人/10万人だったのに対して、妊娠中・出産直後のグループでは14人/10万人だったのです。

25~34才の女性では、この数字は1.6倍と小さくなっていました。 そして35才以上の女性では、妊娠中・出産直後か否かによる脳卒中リスクの違いは見られませんでした

コメント
研究者は次のように述べています:

「これまでは、比較的高齢の女性に対して妊娠に伴う脳卒中リスクに関して注意を喚起するだけでしたが、今回の結果からすると、比較的高齢の女性では妊娠しても脳卒中のリスクは増えないように思われます」

「妊娠に伴う脳卒中リスクの増加は、むしろ35才未満の比較的若い女性に見られました。 実際のところ、35才未満の女性では脳卒中による入院の20%に妊娠が関与していました」