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妊娠中のストレスが原因で胎児が喘息体質に?

(2014年8月) "Lung Cellular and Molecular Physiology" 誌に掲載されたハーバード大学の研究によると、妊娠中にストレスを感じることによって、胎児が生後に喘息になるリスクが増加する可能性があります。

この研究で行なわれたマウス実験において、妊娠中に1回のみストレスを受けた妊娠マウスから生まれた子供でアレルギー誘導性喘息のリスクが増加していたのです。

今回の研究では、妊娠中の母体が受けるストレスを原因とするグルココルチコイドの微増が胎児の喘息発症リスクの原因となるか否かを調べました。
グルココルチコイド
グルココルチコイド(糖質コルチコイド)はストレスに反応して副腎から分泌されるストレス・ホルモンで、炎症の抑制に関与しています。

その一方でグルココルチコイドは、慢性的なストレスに反応して分泌されたときには(慢性的に分泌され続ける場合には?)炎症の原因となり、大気汚染や花粉などの刺激物によるアレルギー反応を抑制するどころか増大させてしまいます。

グルココルチコイドには①コルチゾール、②コルチコステロン、③コルチゾンの3種類があります。 グルココルチコイドは合成により人工的にも作られており、プレドニゾンや、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾンなどの人造グルココルチコイドがアレルギーの治療に用いられています。

妊娠中には健康な女性であってもグルココルチコイドの体内量が増加します。
実験ではまず、妊娠中のマウスを次の4つのグループに分けて比較しました:

  1. ストレス(ストレスの内容は不明)を1回だけ与えたグループ

  2. デキサメタゾン(合成ステロイド)を与えてストレスの発生を模したグループ

  3. ストレスを与えた後にメチラポン(ストレスホルモンの放出を遮断するステロイド阻害薬)を投与してストレス・ホルモンの急増を抑制したグループ

  4. 何もしないグループ(対照群)
実験の結果、ストレスを一回受けただけでも、母体のストレス・ホルモンの量が有意に増えていました。 そして、母体にコルチコステロンが高濃度で存在する場合には、コルチコステロンが胎盤を通過して胎児に流入して、胎児のコルチコステロン濃度が増加していました。 このために胎児が喘息やアレルギーになりやすい体質になる可能性があります。

さらに、生まれた子マウスをアレルゲンに暴露させたところ、ストレスを与えた母親(1のグループ? それとも1と3?)から生まれた子マウスが、他のグループよりも喘息にかかりやすくなっていました。

これらの結果から、妊娠中にストレス(*)を受けると胎児が喘息にかかりやすい体質になることが示唆されます。
(*) ソース記事では具体的なストレスの内容が明らかにされていませんが、「短期的な心理的ストレスが皮膚炎に効く?」という話では、心理的ストレスに反応してグルココルチコイドが分泌されるとなっているので、今回の話の「ストレス」というのも心理的ストレスのことではないでしょうか。