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風邪薬にも使われているアセトアミノフェンを妊娠中に服用すると、生まれる子供が自閉症やADHDになるリスクが増加

(2016年7月) "International Journal of Epidemiology" に掲載された Centro de Investigación en Epidemiología Ambiental(スペイン)の研究で、風邪薬としても使われる解熱鎮痛剤の成分であるアセトアミノフェンを妊娠中に服用した女性では、生まれる子供が自閉症や注意欠陥・多動性障害(ADHD)となるリスクが高いという結果になりました。

研究の方法

2,644組の母子のデータを分析しました。 このうち、子供が1才になったときの調査に参加したのは88%、子供が5才のときの調査に参加したのは80%でした。

妊娠中におけるアセトアミノフェンの使用頻度は、「飲んだことがない」、「ときどき」、「常に」の3つに分類されました。 アセトアミノフェンの用量は不明です(母親が妊娠中の服用量を覚えていなかったため)。

結果

妊娠32週目までのうちに母親がアセトアミノフェンを服用した子供の割合は40%ほどでした。

ADHD

母親が妊娠中にアセトアミノフェンを服用していたというグループは、5才の時点でADHDの症状である多動性または衝動性を示すリスクが高くなっていました。 母親の妊娠中におけるアセトアミノフェン服用頻度が「常に」であったグループで特に、注意欠陥・衝動性・視覚処理速度のテストのスコアが良くありませんでした。

自閉症
母親が妊娠中にアセトアミノフェンを「常に」服用していた場合、男の子に限って自閉症の症状を示す(*)リスクが増えていました。
(*) 自閉症と診断されたかどうかを調べたのではなく、自閉症の症状が見られるかどうかを調べた。
解説
研究者によると、アセトアミノフェンが神経の発達にとって有害となる理由は複数考えられます:
  • アセトアミノフェンは脳に存在するカンナビノイド受容体に作用することによって鎮痛効果を発揮するが、カンナビノイド受容体には脳の神経細胞がどのように成熟し互いに接続し合うかを決定するという役割があるため、妊娠中にアセトアミノフェンを服用すると胎児の脳の発達に異変が生じる可能性がある。
  • アセトアミノフェンが免疫系の発達に影響している可能性がある。
  • 胎児(*)にアセトアミノフェンが直接的に、あるいはアセトアミノフェンに起因する酸化ストレスによって毒性を発揮している可能性可能性も考えられる。
    (*) アセトアミノフェンを成人と同じようには処理できない可能性がある。
また、自閉症の症状が見られるリスクが男児でのみ増加していた理由ついて研究者は、次のように述べています。
「男性の脳のほうが胎児のときに有害物質の影響を受けやすいからかもしれない。 今回の結果が性別によって異なったことから、女性よりも男性の脳に強く影響する男性ホルモンの撹乱(かくらん)が、アセトアミノフェンと自閉症リスクとの関係に関与している可能性が考えられます」