妊娠中に運動しても早産のリスクは増えず、自然分娩率が増える

(2016年7月) "American Journal of Obstetrics & Gynecology" に掲載されたトマス・ジェファーソン大学の研究(メタ分析)によると、妊娠中に運動をしても早産のリスクが増えないばかりか、帝王切開をすることになるリスクが低下します。出典: The Benefits of Exercise During Pregnancy

妊娠中の運動

昔は「妊娠中には激しい運動をすると早産のリスクが増加する」と言われていました。 「運動により放出されるノルアドレナリンが子宮を刺激して収縮させるために早産になる」と考えられていたのです。 しかし最近の研究では、妊娠中の運動が有害であるどころか母子の双方にとって有益であることが示されています。

メタ分析の方法
妊娠中の運動が妊婦に及ぼす影響について調べた9つの臨床試験のデータを分析しました。 データに含まれていた人数は合計2千人超でした。
妊婦たちはいずれも健康で、肥満ではなく、単産(双子や3つ子などでない)でした。

2千人のうちの約半数に妊娠中の10週間または出産にいたるまで運動習慣を続けてもらい、運動しなかった残りの半数とで妊娠への影響を比較しました。 運動の量は、1回あたり35~90分の運動を週に3~4回というものでした。

結果

妊娠中に運動をしたグループでも早産率は増えていませんでした。 それどころか、帝王切開で出産する事態となるリスクが減っていました。 帝王切開が必要となった率が、運動をしなかったグループでは22%だったのに対して、運動をしたグループでは17%だったのです。

さらに、自然分娩(*)の率が、運動をしなかったグループでは67%だったのに対して、運動をしたグループでは73%でした。
(*) 普通分娩のうち吸引や鉗子などの器械に頼らず行われたもの。 支障なく行われた分娩。
妊娠糖尿病高血圧が生じる率も、運動をしたグループのほうが低くなっていました。
妊娠糖尿病の発生率は5.9%に対して2.4%、高血圧の発生率は5.1%に対して1.9%でした。