つわりの軽減にショウガが有効

(2016年4月) "Integrative Medicine Insights" 誌に掲載された研究(レビュー)によると、妊娠中の吐き気と嘔吐(つわり)の軽減にショウガが有効です。出典: The Effectiveness of Ginger in the Prevention of Nausea and Vomiting during Pregnancy...

生薬としてのショウガ

香辛料の一種であるショウガは古来より、薬としても用いられてきました。 薬としてのショウガは、吐き気・嘔吐・下痢・消化不良などの胃腸病だけでなく、関節炎・筋肉痛・発熱など様々な症状の治療に用いられてきました。

妊娠と吐き気・嘔吐

妊娠の初期に吐き気や嘔吐が生じる女性は多く、妊娠1~12週目においては妊婦の80%が程度に差はあれ吐き気や嘔吐を経験します。 そして一般的には妊娠12~14週目の頃に吐き気・嘔吐が治まります。

「つわり」のことを英語では "morning sickness(朝の吐き気)" と言いますが、つわりが朝によく起こるというわけではありません。 妊娠による吐き気・嘔吐が生じる時間帯は定まっていません。

重症の吐き気・嘔吐は妊娠初期にある女性が入院する主な理由の1つです。 吐き気・嘔吐が重症となり脱水症状・電解質のバランスの乱れ・体重減少などが生じるのは妊婦全体の0.2~5%です。

メカニズム

妊娠が吐き気や嘔吐を引き起こすメカニズムは明確にはわかっていませんが、妊娠によるホルモンの変化(胎盤性性腺刺激ホルモンやエストロゲンの増加)が原因ではないかと考えられています。

治療薬

嘔吐に対処する薬としてはセロトニン受容体拮抗剤などが存在しますが、胎児への影響を懸念して薬を飲みたがらない女性が少なくありません。 そこで副作用の恐れが少ない食品であるショウガが注目されています。

レビューの概要
方法
妊娠中の吐き気に対するショウガの効果については、30年以上も前から複数の臨床試験で調査がなされていますが、今回のレビューでは 2014年に発表された2つのメタ分析(*)の結果を調べました。 2つのメタ分析に含まれる試験の合計数は12で、これらの試験の被験者は全部で 1,278人の妊婦でした。
(*) 過去に行われた複数の研究のデータを総合的に分析する研究。
結果
2つのメタ分析のいずれでも、ショウガがプラシーボ以上に、あるいはビタミンB6(*)やジメンヒドリナートやメトクロプラミドなど嘔吐を抑える薬と同程度に吐き気の症状の緩和に有効であるという結果になっています。 ただし吐き気の頻度(予防)については、ショウガの明確な効果は見られませんでした。
(*) 吐き気の治療に用いられる。
ショウガの摂取量

12の臨床試験におけるショウガの摂取量は1日あたり500mg~2.5gを3~5回、摂取期間は4日~3週間というものでした。 ショウガの摂取は粉末、シロップ、エキス、あるいはショウガ入りビスケットで行われました。

ショウガの安全性

ショウガで副作用が生じることはあまりありません。 比較的最近に行われたショウガの安全性を調べる2つの研究でも、妊娠中にショウガを服用しても生産率・奇形児出産率・低体重児出生率・妊娠期間などに差は生じないという結果になっています。 ただし、胸やけやゲップなどの軽い胃腸トラブルが生じることがあります。

研究のスポンサー
この研究は、ADAMEDという製薬会社の資金提供で行われました。 この会社は、女性向けの代替療法(健康食品など)の開発に力を入れているそうです。