妊娠中にピーナッツを食べても、子供のピーナッツ・アレルギーの原因にはならない

(2013年12月) "JAMA Pediatrics" に掲載された米国の研究によると、妊娠中にピーナッツおよび他のナッツ類(以下、まとめて「ピーナッツ」)を食べても、生まれる子供がピーナッツ・アレルギーになるリスクが増えないばかりか、リスクが逆に減少すると考えられます。

したがって、子供がピーナッツ・アレルギーになるのを心配して妊娠中にピーナッツを控える必要はないでしょう。
これまでの経緯

米国小児科学会(American Academy of Pediatrics、AAP)は 2000年から、妊娠中および授乳中の女性および3才以下の幼児はがピーナッツなど子供のアレルギーの原因となる食品を控えることを推奨していました。

明確なエビデンスが無いにも関わらずこのように推奨されていたのは、子供がアレルギーになるリスクを減らすためです。 しかし、それにも関わらず 1997~2007年にかけて米国におけるピーナッツ・アレルギーの症例数が増加したため、AAP は 2008年にこの推奨を撤回しています。
研究者は次のように述べています:
「胎児や乳幼児のときにピーナッツに接触しなかったためにピーナッツ・アレルギーが増えたとは断言できませんが、胎児や乳幼児をピーナッツから遠ざけてもピーナッツ・アレルギーが減らなかったことは断言できます」
研究の方法

8,205人の子供のデータに基づいて、アレルギーのある子供の母親と無い子供の母親とで、妊娠前~妊娠後の期間における母親の食事のデータ(特にピーナッツの摂取量)を比較しました。

結果

食品アレルギーの件数は308件、そしてピーナッツ・アレルギーの件数は140件でした。

妊娠前~妊娠後の期間中における母親のピーナッツ摂取量が多い子供の方がピーナッツ・アレルギーである割合が少なく、ピーナッツ摂取量が最も多いグループ(週に5回以上ピーナッツを食べる)で、子供がピーナッツアレルギーになるリスクが最も低くなっていました。

ただし、母親自身がピーナッツ・アレルギーである場合には、ピーナッツ摂取量と子供のピーナッツ・アレルギーとの間に関係は見られませんでした。

解説

この結果は「早いうちからアレルゲン(アレルギーの原因となる物質)に接触させることで、アレルゲンへの耐性が増加し子供が食品アレルギーになるリスクが減る」という仮説を補強するものです。

今回の研究は「妊娠中にピーナッツを食べると子供のピーナッツ・アレルギーのリスクが減る」という因果関係を明らかにしたものではありません。 そのため研究者も「子供のピーナッツ・アレルギーを心配してピーナッツを控える必要はない」という言い方をしていて、妊娠中にピーナッツを積極的に食べることまでは推奨していません 。