妊娠中のビタミンC不足で胎児の脳が発達不良に

(2012年11月) "PLOS ONE" に掲載されたコペンハーゲン大学の研究により、妊娠中にビタミンCが欠乏すると胎児の脳に深刻な影響のあることが明らかになりました。 そして出産後に赤ちゃんにビタミンCを補給しても、受けたダメージは元に戻りません。

研究の方法

この研究では、妊娠中のモルモットとモルモットから生まれた子供を調査しました。 ネコのように体内でビタミンCを合成できる動物もいますが、モルモットはヒトと同じく体内でビタミンCを合成できません。

結果

母体はふつう胎児が必要とする栄養分を選択的に胎児に送り届けるのですが、ビタミンCに関しては十分にこれが行われていませんでした。

生後のビタミンC補給では手遅れ

さらに、胎児のときにビタミンC欠乏症により脳にダメージを受けた赤ちゃんが生まれてから、赤ちゃんにビタミンCを与えても脳のダメージが修復されませんでした。

胎児のときにビタミンC不足で脳がダメージを受けたモルモットの赤ちゃんたちを2つのグループに分け、一方だけにビタミンCを与えるという実験をしましたが、生後2ヶ月(ヒトでいえばティーンエイジャー)になっても、ビタミンCを与えたグループにおいて、ビタミンCを与えなかったグループと比べて、脳のダメージが回復しているとは言えなかったのです。

解説

ビタミンC欠乏症によるダメージは、妊娠初期ですでに確定すると思われます。 モルモットの胎児の脳の検査は妊娠4ヶ月~9ヶ月目の時点で行いました。

研究者の話では、妊娠中のビタミンCの欠乏が僅かであっても胎児の海馬の発達が 10~15%妨げられます。 海馬というのは記憶・学習に関与している脳の器官のことで、その発達が阻害されると記憶力や学習能力に問題が生じる可能性があります。

複数の調査から、先進国であってもビタミンCが不足している成人が10~20%に上ることがわかっています。