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妊娠中にビタミンDを十分に摂っておくと、生まれる子供がADHDになりにくい?

(2016年10月) "The Australia & New Zealand Journal of Psychiatry" に掲載された南デンマーク大学などの研究によると、妊娠中にビタミンDを十分に摂っておくと、生まれる子供が注意欠陥・多動性障害(ADHD)になるリスクが低下する可能性があります。

研究の方法
1,233人の子供が生まれたときの臍帯血(*)を用いてビタミンDの血中濃度を調べ、子供が2才~2才半にまで育った時点で、母親に "Child Behavior Checklist" (†)に回答してもらいました。

(*) へその緒から取れる血液。

(†) 幼児のADHDの兆候の有無を調べるアンケート。
データの分析においては、①母親の年齢・喫煙/飲酒習慣・太り具合・教育水準・子供の数、②両親の精神疾患の有無、③子供の性別・年齢・季節の違い(*)を考慮しました。
(*) 生まれた季節の違い? (参考記事: 誕生月によって異なる病気のリスク
結果

臍帯血におけるビタミンD血中濃度が10nmol/L増えるごとに、ADHDの兆候の顕著さにおいて上位10%に入ってしまうリスクが11%下がっていました。

母親がビタミンDのサプリメントを飲んでいてビタミンD血中濃度が十分(25nmol/L超)であると子供にADHDの兆候が見られないという明確な傾向がありました。

ビタミンDのサプリメントは必要?

上記の文は、「ビタミンDのサプリメントを飲んでいないと25nmol/L超のビタミンD血中濃度を達成できない」という意味に取れますが、これはデンマークが緯度が高く日光に乏しい北欧の国だからかもしれません。

25nmol/L(約62nmol/L)というビタミンD血中濃度は決して高い要求水準ではなく、一般的には少なくとも50nmol/L程度の血中濃度が望ましいとされています。

厚生労働省が作成した文書(PDFファイル)によると、新潟県や長野県に住む日本人女性のビタミンD血中濃度の平均値は、真冬の2月(日照量が少なくビタミンD合成量が減る)であっても30nmol/Lを超えています。
解説
ビタミンDによりADHDのリスクが下がる理由は不明ですが、これまでの研究によると初期の脳の発達発達においてビタミンDは重要な役割を果たしています。