エコノミークラス症候群は簡単に予防できる

エコノミークラス症候群とは

エコノミークラス症候群という病気をご存知でしょうか? 飛行機のエコノミークラスの狭い座席に長時間乗っているときに起こるケースが多いために「エコノミークラス症候群」と呼ばれていますが、この病気は正式名称を「深部静脈血栓症」といい、飛行機だけでなく長時間のドライブでも起こります。 症状は、いずれかの脚が痛む・むくむ・赤くなる・高温になるなどです。

米国では毎年200万人がエコノミークラス症候群になり、そのうちの10%近くが亡くなっています。

エコノミークラス症候群の原因
エコノミークラス症候群では、身動きが取れないような狭い場所に(*)長時間座り続けることによって脚の血流が損なわれるために、脚や太腿の深部静脈(体表から遠い場所を通る静脈)に血栓が形成されます。 こうして生じた血栓は血流に乗って肺・脳・心臓などに移動し、そこで致命的ともなりかねないダメージを引き起こすのです。
(*) 2012年に発表された "American College of Chest Physicians(ACCP)" のガイドラインによると、エコノミークラス症候群のリスクは、座席の窮屈さではなく、長時間座りっぱなしでいることによって増加します。 つまりファーストクラスであっても座りっぱなしであれば「エコノミークラス症候群」になるリスクはエコノミークラスと変わらないというわけです。
特に注意が必要な人

妊娠中の女性、心臓疾患・ガン・血栓の病歴のある人は、長距離の旅行をする前に医師に相談するようにしましょう。 エコノミークラス症候群を予防するために、旅行の前や旅行中に血液希釈剤やアスピリンを服用するように指示されることがあります。

上述の ACCP のガイドラインによると、妊娠や血栓の病歴以外にも、経口避妊薬を服用している人・高齢者・窓側の席に座る人(立って歩き回ることが少なくなるので)・肥満者・エストロゲン補充療法を受けている人でエコノミークラス症候群のリスクが増加します。
エコノミークラス症候群の予防法

エコノミークラス症候群はおそろしい病気ですが、簡単に予防することができます。 海外旅行のような長期間の旅行をするときには以下を実践しましょう:

  • 少なくとも2時間に1度は座席から立って歩き回る。
  • 4時間以上は続けて眠らないようにする。
  • 水分を十分に摂る。
  • ゆったりした服を着る。
  • お腹が一杯になるまで食べない。
  • 飲酒量を少なめにする。
座席から立ち上がって歩き回れない場合の運動

頻繁に立って歩き回れない場合には、座席に座ったまま次の運動をしましょう:

  1. 両脚を開いて、輪を描くようにして前後に足を動かす。
  2. 膝を胸の方に引き寄せて15秒間静止する。(片足ずつ)
  3. 両足を床につけて、つま先を上に向ける。(ふくらはぎの運動)
  4. 両足を床につけて、踵をできるだけ高く浮かせる。(ふくらはぎの運動)