乳酸菌の抗ガン効果 (レビュー)

(2018年7月) ウッチ大学(ポーランド)の研究グループが乳酸菌の抗ガン効果についてまとめたレビューを "Critical Reviews in Food Science and Nutrition" 誌に発表しています。
Adriana Nowak et al. "Anti-proliferative, pro-apoptotic and anti-oxidative activity of Lactobacillus and Bifidobacterium strains: A review of mechanisms and therapeutic perspectives"

レビューの要点

乳酸菌(ラクトバチルス菌とビフィズス菌)の分泌物や菌体の断片は、抗酸化・抗増殖・アポトーシス促進などの作用により抗ガン効果を発揮します。

抗酸化

乳酸菌は以下により発ガン性物質の有害な作用を阻止します:
  1. 抗酸化作用のある酵素を分泌する。
  2. 活性酸素種と結合する。
  3. 分子量が小さい抗酸化物質を放出して遷移金属をキレート化する。

抗増殖

乳酸菌は細胞サイクルを調整するタンパク質に作用してガン細胞の増殖を阻止し得ます。

アポトーシス促進

ガン細胞はアポトーシス(プログラム細胞死)への耐性を備えていることが少なくありませんが、乳酸菌には次のようにしてガン細胞のアポトーシス耐性を打ち破る能力があります:
  1. プロカスパーゼを活性化する。
  2. 「Bcl-2」と呼ばれアポトーシスを阻害するタンパク質の働きを抑える。
  3. 「Bax」と呼ばれアポトーシスを促進するタンパク質の働きを高める。

その他

乳酸菌は上記の他にも、腸内細菌を介して複数のメカニズムにより抗ガン効果を発揮すると思われます。 ただし、そのメカニズムについては解明が進んでいません。