乳酸菌が風邪の症状の軽減に有効

(2012年10月) "British Journal of Nutrition"に掲載された University of Medicine and Dentistry of New Jersey(米国)の研究によると、乳酸菌のサプリメントで風邪の症状が軽減されるかもしれません。

研究の方法
198人の大学生に乳酸菌のサプリメントまたはプラシーボを12週間にわたり服用してもらいました。 二重盲検法を採用し、被験者だけでなく研究者にもどの被験者が乳酸菌を服用したのかわからないようにしました。
使用した乳酸菌
ラクトバチルス・ラムノサスGG(Lactobacillus rhamnosus GG)と ビフィドバクテリウム・アニマリス・ラクティス BB12(Bifidobacterium animalis lactis BB12)という二種類の乳酸菌を組み合わせて用いました。
結果

風邪をひく率は乳酸菌のグループとプラシーボのグループで変わりませんでしたが、乳酸菌を服用したグループでは風邪をひいている期間が二日短かく、症状も34%軽いという結果でした。

コメント
研究者は次のように述べています:
「鼻づまりや喉の痛みなどの風邪の症状はウイルスに対する体の炎症応答であって、ウイルス自体によるものではありません。 (乳酸菌で症状がマシになるというのは)乳酸菌が炎症応答を減少させることで体の免疫系の反応を和らげているのかもしれません」
類似研究
  • 2008年に英国の医学誌に掲載された研究でも、乳酸菌サプリメントが風邪に対して有効であることが示されています。 この2008年の研究では、冬に戸外で練習する20人の長距離ランナーに、Lactobacillus fermentum という種類の乳酸菌を毎日服用してもらいました。 その結果、風邪と上気道の感染症に罹る率が減少しました。
  • トマト・ジュースで有名なカゴメが行ったマウス実験(2013年11月に発表)によると、スグキというカブの一種の漬物に存在する乳酸菌の一種である Lactobacillus brevis の一部(L. brevis にも何種類か存在する)に経口摂取で(注射などではなく食べることによって)免疫系を強化してインフルエンザにかかり難くする作用があります。

    Lactobacillus brevis は菌体外多糖と呼ばれる糖の層に包まれて保護されているために、胃酸にも著しい耐性があります。 さらに、研究者によると、菌体外多糖に(ヒトの)免疫を強化する作用があることは他の乳酸菌で確認されているため、L. brevis KB290(多分これがスグキの漬物に入っている L. brevis 菌の種類)の菌体外多糖にも同様の作用があることが期待されます。

    L. brevis は、免疫系の分子であるIFN-α(インターフェロンα)と、インフルエンザ専用の抗体の生産量を増加させることによって、ウイルスに感染した細胞の根絶を促進します。

    実験に用いられたインフルエンザのウイルスは、H1N1 型という種類のものでしたが、研究グループは L. brevis が H7N9 型(最近中国で流行し始めている)などに対しても有効なのではないかと考えています。