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加工肉をよく食べる人は口腔ガンに要注意

(2017年4月) "Cancer Causes & Control" 誌に掲載されたマーストリヒト大学(オランダ)の研究で、加工肉(ハム、ソーセージ、ベーコンなど)の摂取量が多いと口腔ガンのリスクが増加するという結果になりました。出典: Intake of meat and fish and risk of head-neck cancer subtypes in the Netherlands Cohort Study

研究の方法

55~69才の男女12万人を対象に、食生活に関するアンケート調査を実施して肉類(赤身肉・加工肉・魚肉)の摂取量を把握し、その後20年間にわたり頭頸部ガン(口腔・鼻・喉などに生じるガン)の発生状況を追跡調査しました。

そして、追跡期間中に頭頸部ガンになった患者430人(*)と、12万人のうち頭頸部ガンにならなかった人たちの中から選出された 4,111人とのデータを用いて、肉類の摂取量と頭頸部ガンになるリスクとの関係を調べました。
(*) 口腔ガンが134人、中咽頭/下咽頭ガンが90人、喉頭ガンが203人。
結果
赤身肉と魚肉ではリスク増加せず

赤身肉や魚肉の摂取量と頭頸部ガンとの間には関係が見られませんでした。

加工肉でのみリスク増加

加工肉に関しては摂取量が多いと頭頸部ガンのリスクが増加していました。 加工肉の摂取量に応じてデータを4つのグループに分けた中で摂取量が最大のグループは、摂取量が最少のグループに比べて頭頸部ガンのリスクが46%高くなっていました。

口腔ガンでのみリスク増加

加工肉にしても、摂取量が多い場合にリスクが増加していたのは口腔ガンだけで、中咽頭/下咽頭ガンや喉頭ガンのリスクは増加していませんでした。

加工肉の摂取量が多い場合の口腔ガンリスク増加幅
加工肉の摂取量が最大のグループは摂取量が最少のグループに比べて、口腔ガンのリスクが88%高くなっていました。 研究チームの計算によると、加工肉の摂取量が摂取カロリー1千キロカロリーあたり5g増えるごとに口腔ガンのリスクが13%増加します。
1日の摂取カロリーが2千キロカロリーだという人の場合、加工肉を食べる量が10g/日増えるごとに口腔ガンになるリスクが13%増えるということになります。
解説
加工肉により口腔ガンのリスクが増加するとすれば、それは加工肉に由来する発ガン性物質に原因があるのかもしれません。 加工肉に由来する発ガン性物質としては次の2つが考えられます:
  • 加工肉に添加物として使用される硝酸塩や亜硝酸塩から生じるN-ニトロソ化合物。 N-ニトロソ化合物は発ガン性が疑われている。
  • 加工肉を高熱で調理したときに生じるヘテロ環アミンや多環芳香族炭化水素などの発ガン性物質。
この2つはいずれも赤身肉でも同様に生じ得る(*)ので、加工肉でのみ口腔ガンのリスクが増加していた理由は明確ではありませんが、赤身肉よりも加工肉のほうが発ガン性物質の含有量が多いとは言えるのかもしれません。
(*) 高熱で調理して発ガン性物質が生じるのは赤身肉も同じだし、N-ニトロソ化合物にしても赤身肉に大量に含まれるヘム鉄の影響で発生する可能性が考えられる。