座って過ごす時間が長いと不安症になりやすい

(2015年7月) "BMC Public Health" に掲載されたディーキン大学などのシステマティック・レビューによると、座って過ごす時間が長いと不安症になるリスクが増加すると思われます。
Megan Teychenne, Sarah A Costigan and Kate Parker. The association between sedentary behaviour and risk of anxiety: a systematic review. BMC Public Health 2015, 15:513 doi:10.1186/s12889-015-1843-x (Licensed under CC BY 4.0)
不安感とは

不安症(anxiety)とは過度の(そして往々にして根拠の無い)心配が慢性的に続き日常生活に支障をきたすという状態のことです。 不安症の身体的な症状は動機・呼吸困難・胃の不調・筋肉の緊張・発汗・気絶しそうな感じ・震えなどです。 不安症は、心血管疾患(心臓病や脳卒中)やガンのリスク増加など深刻な疾患にも関与しています。

レビューの方法

座って過す(デスクワーク・読書・PCの使用・テレビ視聴・自動車の運転など)時間の長さと不安症のリスクとの関係について調べた9つの観察研究のデータを調査しました。

結果

9つの研究のうち研究方法の信頼性が高かったのは1つ、中程度だったのは5つ、信頼性が低かったのは3つでした。

全体的に見て、座って過す時間が長いと不安症のリスクが高いという並程度の(強くはない)関係が見られました。

ただし座って行う活動の種類別の分析では、PCの使用・テレビ視聴・テレビゲームなどテレビ画面を観て過ごす時間が長いと不安症のリスクが増加するという結果になった研究と、増加しないという結果になった研究が混在していました。 テレビを観る時間が長い(2時間以上/日)女の子には不安症が少ないという結果になった研究も1つありました。

結論

座って過ごす時間と不安症のリスクの関係に関するデータは豊富ではありませんが、今回のレビューの結果から、座って過ごす時間が長いと不安症のリスクが増加する可能性が示唆されます。

考えられる理由
研究チームは、座って過ごす時間の長さと不安症の関係を説明する理由として以下の説を挙げています:
  • テレビゲームやPCゲームなどによって中央神経系の活性が高まるため。
  • テレビ画面を長時間観続けることによって睡眠パターンが狂うため。
  • 座って過ごす時間の長さが代謝を経由して不安症のリスクを助長する。 座って過ごす時間が長い人では2型糖尿病のリスクが高いというデータや、2型糖尿病と不安症や抑鬱などとの関連性を示すデータが存在します。
  • 運動時間が減った分だけ座って過ごす時間が増えるから。 成人でも子供でも運動により不安症が軽減されるというデータがあります。
  • PC利用やテレビ視聴などで一人で過ごす時間が増えて人間関係が希薄になるため。
  • 座って過ごす時間が長いと不安症のリスクが増加するのではなく、不安を抱えている人が座って過ごす時間が長い。