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運動習慣があっても座って過ごす時間が長いと不健康

「座って過ごす」とは?

「座って過ごす(sedentary behaviour)」とは、目覚めて活動しているときにエネルギー消費が安静時と同程度(1~1.5METs)の活動をして過ごすことです。

具体的には、テレビ・PC・ゲーム機の使用や、デスクワーク、読書、自動車の運転などが座って過ごす」のに該当します。 寝そべって過ごすのも「座って過ごす」時間に含めるのが一般的です。

健康への悪影響

これまでの研究で、座って過ごす時間が長いと健康に次のような悪影響が生じることが示されています:

  • 筋肉や脳が衰える。
  • 太りやすくなる。
  • 腰や背中に慢性痛が生じやすくなる。
  • 心臓病・高血圧・2型糖尿病・ガン・骨粗鬆症のリスクが増加する。
  • 精神面のトラブル(抑鬱・不安)が生じやすくなる。
  • 老化が早まり、早死にしやすくなる。
  • 更年期症状が悪化する。
  • 睡眠の質が低下する。

座って過ごす時間が長いと健康に悪影響が生じるのは、座っている時間が長いと血液が循環しにくくなるためではないかと考えられています。 運動習慣があっても、長時間座ることによる健康への悪影響は相殺しきれません。

座り病
最近では、「座り病(sitting disease)」という言葉まで作られています。 座り病の定義は定まっていませんが、次のような意味で用いられます:
  1. 長時間を座って過ごす生活によりリスクが増加する生活習慣病(肥満や糖尿病)
  2. 座る時間が長いことによる健康への悪影響
  3. 座る時間が長い生活習慣それ自体
どれくらい座って過ごすと有害なのか?

座って過ごす時間の1時間ほどの単位で健康に影響します。 例えば、1日に座って過ごす時間が1時間増えるごとに糖尿病のリスクが20%以上増えるという研究や、座って過ごす時間が1日あたり80分増えるごとに慢性腎疾患になるリスクが20%増えるといった具合です。

1日の起きて活動している時間のうち座って過ごす時間が4時間未満であれば、まずまず健康的であると言えるでしょう。 座って過ごす時間が1日あたり10時間を超えると本当に体に悪い(心臓病やガンのリスクが増加する)ようです。

座って過ごす時間が長い場合には、1時間に1回以上の頻度で立ち上がって歩き回ることによって健康への悪影響の一部を緩和できます。
現代人の座って過ごす時間
  • 米国立衛生研究所の調査によると、米国人が1日に座っている時間は平均で7.7時間です。
  • 米国整骨治療学会の調査によると、勤務中に5時間以上を座って過ごす人が70%です。
  • 米国ダラス市に在住の成人2千人超を調べた調査では、1日に座っている時間が2~12時間(平均5時間超)という結果になっています。
座って過ごす時間を減らす方法
30分間/日であっても座って過ごす時間を減らすと早死にのリスクが20%下がるというデータがあります。 以下を実践して座って過ごす時間を減らしましょう:
  • テレビを観る時間を減らす(長くても2時間までにする)
  • 1~2時間に一度は立つようにする。
  • 屋外で活動するように心掛ける。
  • 犬の散歩をする。
  • 自家用車の使用を控えて、自転車や徒歩で通勤・通学する。 自家用車を電車やバスに切り替えるだけでも効果がある。
  • エレベーターではなく階段を利用する。
  • 立ち机(立った状態で使う机)を使う。
  • 会議を立った状態で、あるいはウォーキングしながら行う。 座っているときよりも歩いているときの方が創造力が向上するという研究がある。
  • 昼休みなどに時間を見つけて軽く散歩をする。
  • 歩数計を活用する。歩数計の使用により歩行量が増えることが知られている。
  • 座る時間を減らすように心掛ける。 座って過ごすのが現代人に特有の文化であることを認識し、座って過ごすのを当然だと考えない。
"Preventive Medicine" 誌(2016年)に掲載された大阪大学などの研究によると、立って過ごす時間が長くても、歩き回らずにじっと立っているだけである場合には、座って過ごす時間が長い場合よりも心臓病や脳卒中で死ぬリスクが高くなります。 座って過ごす時間を減らすときには、単に立つ時間を増やすのではなく歩き回る時間を増やすようにすると良いでしょう。