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ビタミンE やセレニウムで前立腺ガンのリスクが逆に増加

(2014年2月)"Journal of the National Cancer Institute" に掲載された Fred Hutchinson Cancer Research Center などによる研究で、セレニウム(セレン)やビタミンE のサプリメントでハイグレードの(悪性度の高い)前立腺ガンのリスクが増加すると考えられます。

この研究は "Selenium and Vitamin E Cancer Prevention Trial(SELECT)" と呼ばれる無作為化対照試験のデータ(男性3万5千人以上)を用いて行われたもので、ビタミンE(400 IU/日)および/またはセレニウム(200 mcg/日)のサプリメントが前立腺ガンの予防に有効かどうかを調べることを目的としました。

SELECT

SELECTは 2001年から12年間にわたって行われるはずだったのですが、2008年に中止されました。 セレニウムに前立腺ガン予防効果が見られなかったうえに、ビタミンE によって前立腺ガンのリスクが増加している恐れがあったためです。

2008年の中止の時点でサプリメント(あるいはプラシーボ)の服用はストップされましたが、被験者男性たちの追跡調査は継続されました。 追跡調査続行から2年後の時点で、ビタミンE を服用していた男性では前立腺ガンのリスクが有意に(17%)増加していました。

今回の研究

今回の研究では、セレニウム、ビタミンE、またはこれら両方のサプリメントの服用が前立腺ガンのリスクに与える影響を調べるために、前立腺ガンと診断された男性 1,739人(別ソースの記述から察するにおそらく55才以上)と前立腺ガンの無い(人種と年齢が前立腺ガン患者のグループに対応するように選ばれた)男性 3,117人とを比較しました。(SELECT の3万5千人のデータからこれらの男性を抽出したということでしょう)

研究の結果、セレニウムやビタミンE のサプリメントが前立腺ガンの予防に有効であるどころか、少なからぬケースにおいて有害であることが明らかになりました。

セレニウムが多過ぎるとダメ

セレニウムは、研究が開始される時点ですでに、体内量が十分である場合には前立腺ガン予防に寄与しないというエビデンスがありました。 そのため、研究グループは研究開始時に、男性たちの足の爪を分析してセレニウムの体内量を測定していました。 セレニウムの効果が、セレニウムが不足している男性にのみ見られるかどうかを確認しようとしたのです。

ところが蓋を開けてみると、セレニウムで前立腺ガンのリスクが減るどころか、サプリメントを飲む前からセレニウムの体内量が多かったグループでは、ハイグレードの前立腺ガンのリスクが91%も増加していたのです。 セレニウムがすでに十分に体内に存在する男性にとっては、セレニウムのサプリメントが有害だったというわけです。

セレニウムが不足するとビタミンE が有害に

さらに、研究開始の時点でセレニウムの体内量が少なかったグループでは、ビタミンE のサプリメント服用によって前立腺ガン全般では63%、ハイグレードの前立腺ガンに限ると111%もリスクが増加していました。

SELECT においても、ビタミンE とプラシーボを服用(つまりセレニウムは服用せず、ビタミンE だけを服用)したグループで前立腺ガンのリスクが増加していたのに対して、ビタミンE とセレニウムを服用したグループではリスクが増加していませんでした。

この結果から、セレニウム(食事からでもサプリからでも)にビタミンE の有害な作用から保護する作用があると考えられます。

研究者のコメント
研究者は次のように述べています:

「多くの人たちは、『ビタミンやミネラルのサプリメントに効果が無いということはあっても、体に悪いということは無いだろう』と考えていますが、推奨摂取量を遥かに超える量の葉酸やベータカロチンを服用しているとガンのリスクが増加することが、信頼性の高い複数の研究でこれまでに示されています」

「特にビタミンE は世間的に人気がありますが、信頼性の高い大規模な研究でビタミンE やセレニウムが(ガンだけでなく)主要な慢性疾患に有効であると示されたことはありません」
さらに、次のように強い調子でサプリメントの服用中止を推奨しています:

「ビタミンE やセレニウムのサプリメントを服用している人は、服用を中止しましょう。 どちらのサプリメントも有益性は一切報告されていません。 リスクがあるだけです」

「標準的なマルチビタミンの服用で何らかのリスクが生じるということは無いようですが、一種類の(栄養素だけを含む)サプリメントを高容量で服用すると、有害となるケースがありますし、現時点で有害とされていなくても、どのような結果になるか予測がつきません。

栄養素には最適な摂取量というものがあって、その摂取量は健康的な食事をしていれば達成できるケースが多いでしょう。 栄養素は不足するのも良くありませんが、多過ぎるのも問題です」
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