欧米型の食事で前立腺ガン患者の死亡率が増加

(2015年6月) "Cancer Prevention Research" 誌に掲載されたハーバード大学の研究で、非転移性の(最初に発生した場所から別の部位に転移していない)前立腺ガンの患者は欧米型の食事(*)をしていると死亡率が高いという結果になりました。
(*) 加工肉、赤身の肉、高脂肪の乳製品、精白穀物(⇔全粒穀物)、ジャガイモ(グリセミック指数が高い)を多く食べる食事。
研究の方法

この研究では、非転移性の前立腺ガンと診断された医師926人を平均で14年間にわたって追跡調査し、食事が死亡率に及ぼす影響を調べました。 追跡開始の時点における前立腺ガン診断からの経過年数は中央値で5.1年でした。

結果

追跡期間中に亡くなったのは333人で、そのうち前立腺ガンが原因で死亡したのは56人でした。 BMI喫煙習慣・PSA値・診断時における腫瘍の特性・当初の治療など死亡率に影響する要因を考慮したうえでデータを分析したところ次のような結果となりました:

欧米型の食事

食事内容の欧米度に応じてデータ全体を4分割して分析したところ、食事内容が最も欧米型に近いグループは食事内容が欧米型から最も遠いグループに比べて、前立腺ガンで死亡するリスクが153%(2.53倍に)増加し、総死亡率(死因を問わない死亡率)が67%増加していました。

野菜・魚・全粒穀物を中心とする食事

また、野菜・果物・魚・豆類・全粒穀物を中心とする(メディテラネアン・ダイエットに近い)食事をしていたグループでは、総死亡率が36%低くなっていました(比較対象は不明)。 このグループでは前立腺ガンによる死亡の率も下がっていましたが、統計学的に有意と言えるほどではありませんでした。

留意点

データに含まれていた男性の大部分は白人で、さらに全員が医師であったため、今回の結果は人種や職業が異なる世間一般にそのまま当てはまらない可能性もあります。

コメント
研究者は次のように述べています:

「前立腺ガン患者で死因のトップを占めるのが心血管疾患(心臓病や脳卒中)であるため、今回の結果は総死亡率に関しては予想していた通りですし、食事が心血管疾患のリスクに及ぼす影響に関する既存のデータとも合致します。」

「しかしながら、前立腺ガンの死亡率への影響に関しては、食事が前立腺ガンの予後に及ぼす影響に関するデータが乏しいこともあって意外な結果でした。」

「今回の結果から、心血管疾患予防の観点から世間一般に推奨されるのと同じ食事が、非転移性の前立腺ガンによる死亡率を下げるうえでも有効だと思われます」