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タンパク質の現行の推奨摂取量は高齢者の筋肉を維持するのに不十分

(2017年11月) "American Journal of Clinical Nutrition" に掲載されたオークランド大学(ニュージーランド)などの研究によると高齢者のタンパク質摂取量は、現在の食事ガイドラインが推奨する量では筋肉を維持するのに不十分です。

老化と筋肉

筋肉の量は加齢により減少します、40才頃から平均で10年あたり8%の筋肉が失われるようになり、50才ごろから日常的な作業を行うのに必要な筋力が不足し始めます。 50才以上の成人の3人に1人がサルコペニア(筋肉の量が減少した状態)だとも言われています。 筋肉の喪失がさらに進むと自立した生活が送れなくなり、死亡リスクも増加します。

筋肉の量と筋力を維持するには、タンパク質やアミノ酸の摂取量を増やしたり筋力トレーニングをしたりするのが有効です。

研究の方法

70才超の高齢者男性29人を2つのグループに分けて10週間にわたり、一方のグループにはWHOなどが定める現行の食事ガイドラインで推奨されている量(RDA)(*)のタンパク質を、もう一方のグループにはRDAの2倍の量のタンパク質を食べてもらいました。
(*) 体重1kgあたり0.8g/日。

そして、この10週間の前後に筋肉量・脚の筋力・身体機能・健康状態全般を調べました。

結果

RDAと同じ量のタンパク質を食べたグループでは、10週間のうちに筋肉量(除脂肪体重)と筋力が低下していました。 筋肉の減少量は平均0.55kgでした。

これに対してRDAの2倍の量のタンパク質を食べたグループでは、筋肉量が1.49kg増え(主に胴体の筋肉)、脚の筋力も増していました。

解説

高齢の男性は若い男性に比べて、同じ量のタンパク質を摂ったときの筋肉の増えかたが少ないことが知られています。 したがって、むしろ高齢の男性のほうがタンパク質をしっかりと摂る必要があります。

また、高齢者におけるタンパク質の摂取と筋肉との関係が男女のあいだで似通っていることも知られています。 したがって、今回の結果は女性にも当てはまると考えられます。 朝昼晩3度の食事でタンパク質を摂ると良いでしょう。